このあいだの仕事の夜
目を疑う
夕食を摂ろうと準備していると
視野の片隅になにかが動いた
それは白く儚く
やわらかく落下し
こころを捉えた
桜だ
幻を見たのか
2月の北陸
しかも室内
さすがに舞い落ちる桜はない
周囲を見渡すと
存在した
2月の北陸に
桜
目を疑う
触れてみる
持ち上げてみる
少し軽い
カサカサする
食材が入っていたレジ袋の欠片だった
その日の仕事中は
こころがざわつく日で
自分が底なし沼にいるように感じてた
もう一度落としてみた
もう一度落としてみた
もう一度落としてみた
たまらなくなる
幻の桜は
冬の終わりと春の切なさを
先回りして届けてくれた
小さな出来事だけど
優しい時間をくれた
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