ときどき空を見上げて

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2021-02-15 08:53:47 | 日記
このあいだの仕事の夜

夕食を摂ろうと準備していると

視野の片隅になにかが動いた


それは白く儚く

やわらかく落下し

こころを捉えた


桜だ


幻を見たのか

2月の北陸

しかも室内

さすがに舞い落ちる桜はない


周囲を見渡すと



存在した


2月の北陸に




目を疑う

触れてみる

持ち上げてみる

少し軽い

カサカサする

食材が入っていたレジ袋の欠片だった


その日の仕事中は

こころがざわつく日で

自分が底なし沼にいるように感じてた



もう一度落としてみた

もう一度落としてみた

もう一度落としてみた

たまらなくなる



幻の桜は

冬の終わりと春の切なさを

先回りして届けてくれた


小さな出来事だけど

優しい時間をくれた





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