見出し画像

札幌・円山生活日記

ユネスコ世界遺産登録記念「北の縄文世界と国宝」~北海道博物館第9回特別展~

野幌森林公園内の「北海道博物館」で開催中の第9回特別展/ユネスコ世界遺産登録記念「北の縄文世界と国宝」。2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に正式登録されたのを記念した展覧会で同縄文遺跡群や世界遺産とは何かをわかりやすく紹介します。「北の縄文文化」をあらわす国宝や国指定重要文化財なども一堂に公開されており見応えがあります。会期は7月22日(土)~ 10月1日(日)の予定です。

本日は「北海道博物館」で「北の縄文世界と国宝」の鑑賞です。大阪府堺市の古墳群の近くで育ち小学生時の夏休みの宿題(自由課題)に『古墳の研究』を提出した考古学ファンです。でも父親から「考古学じゃ食えんぞ!」と言われて進路を普通の文系に変えた根性なしですが縄文遺跡や土偶と聞くと心が躍ります。しかも「国宝」や「国指定重要文化財」がたくさん展示されるとあっては見逃す訳にはいきません。ということで地下鉄東西線「新さっぽろ駅」からJR北海道バス「新22「開拓の村」行」に乗ってやってきました。
バス停前から見た「北海道博物館」。愛称は『森のちゃれんが』。
博物館入口の「北の縄文世界と国宝」の大きな看板。

【ユネスコ世界遺産登録記念「北の縄文世界と国宝」】
1階窓口でチケットを購入し総合展示会場を経由して「北の縄文世界と国宝」展示会場へ。

「北の縄文世界と国宝」フライヤー。
2021年、「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコの世界文化遺産に登録され、国内外から注目が集まっています。
縄文文化は農耕・牧畜を基盤とした世界各地の新石器文化とは異なり、約1万年にわたって狩猟・採集・漁労を生業基盤とした定住生活を繁栄させた稀有な文化です。北海道と北東北地域には数多くの縄文遺跡があり、そこで特有の文化が展開しています。
この展覧会では、世界に認められた縄文遺跡群の価値を紹介するとともに、国宝8件28点、国指定重要文化財38点を含む約480点を公開し、未来へつづく縄文文化の魅力を紹介します。
最初のコーナー『1.感じる』《縄文ーその心と美》と題された展示エリア。
「遮光器土器(複製)」がお出迎えです。青森県つるが丘石器時代遺跡で発掘された原資料は重要文化財。
その奥には縄文のお宝類が惜しげもなく並びます。感動ものです。
「縄文の女神(複製)」。原資料は山形県舟形町の「国宝」。実物展示は8月31日~9月9日の予定だそうです。
「合唱土偶(複製)」。原資料は青森県八戸市の「国宝」。

そして「国宝」の「中空土偶」。函館市南茅部地区(旧南茅部町)で発見された高さ41.5cmの堂々たる姿です。実物展示は7月22日~9月30日でほぼ会期中は見ることが出来ます。最初の3点は素人目にはレプリカでも見分けは付きませんが「国宝」本物と書かれていると有難みが増す単純な考古学ファンです。
「縄文のビーナス(複製)」。原資料は長野県茅野市の「国宝」。実物展示は9月15日~10月1日。
「仮面の女神(複製)」。原資料は長野県茅野市の「国宝」。実物展示は8月31日~9月9日。

たくさんの「重要文化財」などの実物が並びます。
国指定「重要文化財」の「動物形土製品」(北海道千歳市)。
こちらの「遮光器土偶」は「重要文化財」実物です(青森県八戸市)。
「朱塗り飾り太刀」(青森県八戸市、重要文化財)ほか。
大型尖頭器(国宝、北海道遠軽町白滝遺跡群)。 石器を作るための器材として加工された石器。
「国宝」の「火焔型土器」。
見事な文様の「火焔型土器」です。

次のコーナー『2.知る』《世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」 の価値》と題された展示エリア。同遺跡群が紹介されています。
青森県三内丸山遺跡の「使い終わった竪穴住居のくぼみに溜まった土の層」。
「香炉型土器」(重要文化財、青森県八戸市是川石器時代遺跡)。
「3.学ぶ」《世界遺産とは》ではNHK制作『世界遺産と北海道・北東北の縄文遺跡群」 を上映。内容は撮影禁止。
「4.伝える」では《縄文文化を未来へ》伝える様々な努力を紹介。
おわリに。「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、権力者のために造られた壮麗な建造物などとは異なります。そこには竪穴建物や墓などの痕跡が地中にあるだけです。しかし、それらは私たちと同じ普通の人々が営んだ日々の暮らしの物語であり、そこには現代社会にも通じる「人類の根源的な価値」が内在しています(後略)

【北海道博物館「総合展示」】
折角ですのチケット代に「総合展示」の観覧料も含まれているので見学します。総合展示では北海道の自然・歴史・文化を5つのテーマで紹介しています(「 第1テーマ 北海道120万年物語」「 第2テーマ アイヌ文化の世界」「 第3テーマ 北海道らしさの秘密」「 第4テーマ わたしたちの時代へ」「 第5テーマ 生き物たちの北海道」)。展示室に入ってすぐに「プロローグ 北と南の出会い」として南から来たナウマンゾウと北から来たマンモスゾウが北海道の知で出会う全身骨格(レプリカ)が展示されています。
「第1テーマ 北海道120万年物語」のフォトスポット。
蝦夷地の頃のトドやクマの皮などのアイヌ民族と和人の交易品。
「オムシャ」のジオラマ。 “このジオラマは、1808(文化5)年にサハリン(樺太)で会津藩が行ったオムシャを再現したものです。オムシャとは、もともと旧知の人に再会した際の贈答挨拶のことでしたが、しだいに和人が定めた決め事をアイヌの人たちに読み聞かせ、酒やタバコ、米などを与える政治的儀礼となりました。建物の中にいるのは和人のアイヌ語通訳で、建物の前に座っているのはアイヌの長老たちです。儀式のあとには、酒宴が行われました。”

「第2テーマ アイヌ文化の世界」のアイヌの伝統的な住居建築“チセ”。
「第3テーマ 北海道らしさの秘密」の北海道農業に欠かせない馬と農具。

大正時代の長万部~小樽間の車内の様子。
木村捷司氏作壁画《開拓》。
「第4テーマ わたしたちの時代へ」展示の高度経済成長の時代の自動車など。

「第5テーマ 生き物たちの北海道」。北海道の生き物たちの視点で人と自然の関係を見つめるコーナー。 以上で「総合展示」の鑑賞終了です。館内には外国人観光客とともに小学生らしい子供連れ家族が目立ちました。久しぶりでしたが大変見応えのある展示でした。
時間があれば「北海道百年記念塔」の解体現場も見てみたいと思ったのですが30分に1本しかないバスに時間が合わず博物館前のバス停から帰路につきました。ありがとうございます。

「北の縄文世界と国宝」
2023年7月22日(土)~10月1日(日)
開館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(9/18は開館)、9/19(火)
観覧料:一般(高校生以上)1,600円(1,400円)小・中学生800円(700円)
*()内は10人以上の団体料金

「北海道博物館」
札幌市厚別区厚別町小野幌53-2 011-898-0466
開館時間 5月〜9月 9:30〜17:00 10月〜4月 9:30〜16:30
※入館は閉館の30分前まで
料金(総合展示室) 一般 600(500)円/大学生・高校生 300(200)円
*高校生は土曜日・こどもの日・文化の日は無料
※( )内は10名以上の団体料金です。
※中学生以下、65歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードなど)をご提示ください。
※障がいのある方は無料。入館の際に障害者手帳・障害者手帳アプリをご提示ください。(その手帳をお持ちの方1名に対し引率者1名は無料)
※7/17(土)の「道みんの日」は無料。
休館日  毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日)、年末年始(12/29~1/3)、ほか臨時休館あり
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/
(2023.8.9)

最新の画像もっと見る

最近の「美術館・博物館・演劇・演奏会・展覧会」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事