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ガレージSMAK

クラウンハイブリッド 警告灯点灯修理

高岡市のお客様から走行中に色んな警告灯が点いたがとりあえず自宅まで戻ってきたと連絡があり、走行に支障がある警告灯か判断がつかなかったのでご自宅まで引き取りに行ってきました。

トヨタ クラウンハイブリッド AWS210 2015年式 129100キロ

横滑り防止装置の警告灯が点灯、メーター内のディスプレイにいくつか故障表示が出ていました。

ナビ・ブレーキアシストシステム故障。

ポップアップフード故障。

ハイブリッドシステム故障。

故障のためブレーキ力が低下しますって表示されてますが、走行してみるとEVモードに切り替わらないだけで特に問題はなさそうでした。


診断機を繋いでDTCを確認すると何やら沢山あります(^^;)

ハイブリッドシステムの項目では電池内部異常。

ABS.VSC.TRCの項目ではHV/EV異常と回生異常。

エアバッグの項目ではVSCシステム系異常。
ナビゲーションシステムの項目では電スロ系異常。

ハイブリッドシステムのライブデータを一通り確認してみます。





現在故障となっていましたが、ライブデータを見る限りは特に問題は無さそうなので一旦DCTを消去してみます。
全て消去出来ました。
つまり現在進行形のDCTではないということになります。

警告灯を再現するためにしばらく試乗をしてみましたが出ませんね(^^;)
念の為、再び診断機で確認。

当然ですがDCTは残ってません。



ライブデータも問題無し。

最初にいくつもDCTが出ていましたが、全てが同時に故障するというのは考えにくいうえに、整備書を確認していくと『P0A80 電池内部異常』が根本的な原因っぽいので、DCTが記録された瞬間のデータであるフリーズフレームデータを確認します。

ちなみにですが、整備書のP0A80についての記載を一部抜粋すると
『隣同士の電池ブロック電圧差が全て0.3V以上の差がある場合はボルテージセンサー不良。そうじゃない場合はハイブリッドバッテリー不良。』
NO.6の電池ブロックだけが1.0V以上低いですね~つまり、ハイブリッドバッテリー不良となります。恐らく警告灯が点いた原因はコレですね。
ですが現状はライブデータの電圧は問題ないですし、なんらかの原因で一時的且つ瞬間的な電圧降下はあり得ない話ではないので、お客様に事情を説明してしばらく様子を見てもらうことになりました。


それから約3週間は何事もなかったんですが、再び警告灯が点いたとの連絡。

メーター内ディスプレイは前回同様の表示。


DCTも前回同様です。

ライブデータも問題無し。

フリーズフレームデータはやはりNO.6電池ブロック電圧のみ低いです。
ハイブリッドバッテリー不良は間違いないですね。部品を調べると新品198000円、リビルト188000円、両方とも在庫無し。

DCT消去後すぐにエラーが発生するわけではなさそうなので、お客様と相談して部品が納品されるまでの間はそのまま乗って頂くことになり、その間に再発した場合は診断機でDCT消去することになりました。

車をお預かりするまでの間に何度が点灯して消去を繰り返していましたが、段々とそのサイクルが短くなってきたところで無事にお預かり出来ました(^^)

それではハイブリッドバッテリーの交換です。

まずはトランクルームにある補機バッテリーの端子を外します。

完全に遮断するためにプラス側も外します。

次はハイブリッドバッテリーの遮断。

カバーを外して

スライドさせて

レバーを引き上げて

ロックを外して遮断。
このあとしばらく放置して放電させます。

画像はありませんが、エンジンルームにてハイブリッドバッテリーが完全に遮断されたことをテスターを用いて確認してます。

※ハイブリッドシステムは高電圧ですので整備書でしっかりと確認の上、作業を実施してくださいm(_ _)m


リアシートを取り外し。



ハイマウントストップランプ、ボードを取り外して

スピーカーも取り外します。

トランクルームに戻り内装を外します。

奥に見えるのがハイブリッドバッテリーです。


ハイブリッドバッテリーの冷却用ダクトを取り外し。

ファンを取り外してハイブリッドバッテリー単体になりました。

室内に戻りリアシートの背もたれ側にあるシールを外してハイブリッドバッテリーの固定ボルトを外します。






固定が外れたので二人掛かりで手前に引き出します。

引き出す時には傷つき防止もありますが、段ボールを二重にして引き出しし易くします。

取り外したハイブリッドバッテリーからボルテージセンサー等を取り外して移植していきます。


新品のハイブリッドバッテリー。


地べたでは取り付けれないので台に載せて作業をしていきます。
準備が終わったので車に戻して

元に戻していきます。

リアシート部分ってなぜか汚れが溜まるんですよね。戻す前に掃除をしておきます。


リアシート取り付け完了。

最後に補機バッテリーを取り付けます。

エンジン始動は問題なくEVモードにも移行しましたので、診断機で異常がないかを確認していきます。


電池ブロック電圧は問題無し。

電圧差も問題無し。
内部抵抗も問題無し。


その他データも問題無しでした~

ロードテストで色んな状況を試してみましたが、しっかりとEVモードに切り替わり回生ブレーキでの充電も問題無しです(^^)

ハイブリッドバッテリー交換は部品代が高いので高額の修理となりますが、ハイブリッド車の初期の頃と比べれば安くなりましたし、故障する頻度も下がってきてます。
それにその他の部分がなかなか故障しないのがハイブリッド車の良いところかなと思います。

皆様からの整備のご依頼をお待ちしています。




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