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国道11号川之江三島バイパスは事業化後50年を経ても一部仕切り直し中 <追記あり>

最近のブログ記事で愛媛県内の長期事業中の国道11号バイパス(新居浜小松)について取り上げましたが、実は愛媛県内にはもう1つあります・・・

愛媛県の東の端にある四国中央市内の「川之江三島バイパス」がそれで、パンフレットにあるように1972年に事業化され、国道192号より南西側の区間については2009年までに全面供用を開始し4車線化も進捗しているのに対し、国道192号より北東側の区間の大半は着工に至っていません。

国道192号より北東側も数百m区間のみ暫定2車線で供用されていますが、付近のGoogleMap上では幹線道路扱いされておらず、ストリートビューでは歩道橋をくぐるとすぐ県道5号に突き当たって終わり、その向こうには普通に工場や家屋が建ち並んでいるのがわかります。

これは、「もともと予定していたルートのすぐ近くにある古墳の価値が高まったことにより、ルートや設計の変更が必要になった」という明確な理由からです。

川之江三島バイパスは令和元年度第1回四国地方整備局事業評価監視委員会(2019/8/8開催)において再評価の対象になりました。

https://www.skr.mlit.go.jp/kokai/project_evaluation/r1/1st/pdf/05-3-1.pdf

その「宇摩向山古墳」は1972年の事業化時点で既に愛媛県指定の史跡であり、この時点では保護範囲を避けるルートになっていましたが、その後の調査により史跡として保護が必要な範囲が拡大され、さらに2011年には「四国最大にして国内でも有数の長方形墳」として国の史跡に指定されました。

これを踏まえ、2018年11月にルートの都市計画が変更され、古墳に近接する区間をトンネル化することとなりました。その結果事業費が約40億円増大しましたが、同時にすぐ北側にある市道川之江山田井線との交差部を高架構造から平面交差に変更したため事業費が約30億円減少しています。

その後の進捗については、2023年度時点でも「未開通区間の調査設計を推進します」とされており、新ルートでの用地買収が始まるのはまだ先と思われます。

<4/29夜追記>

川之江三島バイパスの宇摩向山古墳付近ですが、トンネル構造から切土構造に変更すべく都市計画決定の変更途上とのことです。

愛媛県公式サイトの「都市計画決定の手続きについて」のページによれば、四国中央都市計画道路としての川之江三島バイパスの未開通区間のうち1.9kmについて都市計画変更の対象区間(トンネル方式→地表式)となっており、2023/8/7・8/8に説明会が行われました。さらに、四国中央市の広報2023年12月号の15ページによれば、その都市計画変更案が2023/12/12~12/26の間縦覧に供されたとのことです。

そして、2024/1/16に開催された第18回四国中央市都市計画審議会の議事録によれば、宇摩向山古墳付近のトンネル構造から切土構造への変更は松山河川国道事務所側が自らの調査結果を踏まえ決定したもので、四国中央市側としては、構造変更によるコスト削減効果があるとは聞いているが具体的な減少額は把握していないとのこと。

ということで、仕切り直しのプロセスはまだまだ続きそうですね。この分だと、事業化後60年となる2032年時点でも全通は難しいかも。

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