飼い猫の遠吠え

とにかく気持ちは前向きに寝る間を惜しんでほふく前進・・・

編笠山・権現岳:夏山山行その7

2010-08-29 23:59:43 | 山登りのたしなみ
2010年7月19日(月) 4:00 青年小屋テント場


朝4時前には起床しようと思っていたものの、昨日の歩き過ぎの影響か、はたまた数日分の睡眠時間を一気に取ってしまった事が災いしたのか、昨日はなかなか寝付けませんでした。そんな困った状況も、夜に起き出した時に見られた星々の輝きで癒されましたけど。これがあるから、テント泊はいいものです。
折角なので、そのまま朝まで起きて、日の出でも見てやろうかと決意した矢先、急に眠れてしまったため、予定の時間から寝過ごしてしまうこととなりました。隣りのペグの金属音で目を覚ますと、すでにヘッデン不要なうっすらとした夜開けが始まっていました。



すっかり朝となってしまいました
今日もいい天気のようです



寝過ごしたとはいえ、まだ4時過ぎですから、至って普通の時間です(よね)。
3日目となり、残り少なくなった食事で朝ご飯らしきものを仕上げ、乙女の水で水分補給と顔を洗い、テント撤収を始めました。

久し振りのテント撤収は、結露で濡れてベチャベチャとなったテントとの戦い。最終日だからと(いや、最終日でなくても同じですが)、えいやっ! と気合の袋詰めです。袋にしまう段階となって、そういえば、畳む際に逆さまにしてテント内のゴミを出すんだったなぁと、大事なことを忘れていたことに気が付きましたが、後の祭り。後日、自分の部屋に蟻さんが闊歩することになるのは、このことと無関係ではないと思いますが・・・。まぁ、久し振りのテント使用なので、こんな事もあるわなと自分を納得させていたのですが、周囲の撤収されている皆さんは、何だか几帳面にせっせとタオルやティッシュで拭き取る方々ばかり。あれ、山ヤの皆さんって、こんなに几帳面でしたっけか、と失礼な感想と抱きつつ、そそくさとテント場をあとにしたのでした。

3日目ともなると、筋肉痛も隠れようもなく本性を表し、ズキズキと足に鈍痛を感じる程度になっていました。
そんな状態で昨日よりも重いザックを担いで歩くなんて大丈夫か? といささか不安でしたが、重い時は、重いなりの歩き方を選択しているかのようで、スピードはないものの着実に歩いていきます。もしかすると、天候のせいかもしれませんが、昨日の帰りのヘロヘロ状態とは確実に違いを感じます。それに、権現岳から背後には編笠山、先には、富士山にアルプスの山々、疲れた気分を吹き飛ばす要因は、そこかしこにありますからやる気も十分です。



今日も富士山と雲海が見られて幸せ
しかし、こんなに朝も早くから虫達の活動も活発すぎて心配です



出発は、予定より大幅に遅れて6時となりましたが、テント組でもまだ早い方のようで、人の少ない登りをせっせと歩いていきます。



のろし場(2,530m)より編笠山方面



この辺りは崩れやすいので慎重に



登って一息、富士山が良く見えます



権現岳方面は、丁度この時間は逆光となってしまうため、眩しくてよく見えません



ここまで来れば、山頂まではあと少し
今日は、テントザックをちゃんと背負ってますよ



昨日の赤岳のキレットコースも懐かしい思い出です



歩き始めから、約1時間程で権現岳の分岐までやってきました。
見事なまでの雲海が広がり、左手には、昨日登った赤岳が鋭いながらもどっしりした姿を見せていました。今日のコースは、権現岳~三ッ頭経由の周遊コース。権現岳に行ってしまえば、後は帰るだけとなってしまうため、何となく先に進むのが勿体ない感じがして、なかなか足が進みません。



雲海というよりは、雲の層が出来ているような感じです



三ッ頭まで40分
ここからは下りですし、昨日と比べればどんな場所も余裕に感じてしまいます



権現岳山頂・・・って、遠いなぁ
いや、近くで撮ると逆光で写らないものでして、いやいや、怖いからじゃないですから



権現岳の山頂も今回の山行では三回目。最後になるので、ザックを担いだまま山頂に上がってみました・・・が、やっぱり怖いですね。来た道を見ると、青年小屋からの登山者と思われる集団がこちらに来るのが見えたので、後ろ髪引かれる思いは残りますが、三ッ頭に向けて歩き出します。このコースは、二回目ですが、前回来た時は、ガス満載な五里霧中な中を歩いてえらい目にあった経験しかありませんから、実質初めて歩く感じです。



見て!見て! 下りですよ!!
昨日、体力を使い切った自分としては、本当にありがたいことでして・・・



権現岳へは、これまでに数回来ていますが、後ろにこのような祠が有る事は知りませんでした
今までの分を含めて、今回の安全を祈念します



こちら側から見る権現岳は、何かの耳のようでした
ト○ロ?



一本道の下り坂でしたので、安心しきっていたのですが
結構な下りっぷり



この辺りからは、低木の中を突っ込んで行くことに



探してみると、山頂と思われるような頂には、このようなお地蔵さんや祠がそこかしこ
うむ、ラブリー



こう見ると結構な下りだったのだなぁと納得
先程来ていたと思われる人影が山頂に見えたので、思わず手を振ってみましたが、まぁ、反応はありませんでした






この緑がなんとも気持ちよさそうに見えて・・・しかも、ここだけ涼しいという癒し空間
このような暑い日には、良い休憩場所でした



三ッ頭への道は、木々の中を通る一本道コース。権現岳から一気に下って、ユルユルと登り返します。山頂が見えていると楽に感じるのか、そんなに苦労せずに三ッ頭山頂に到着しました。



この丘を越えれば恐らく山頂



相当古い石碑かと思いきや、昭和44年でした



三ッ頭山頂到着です
しばらく山頂にて休憩していましたが、まだ朝だというのに陽射しがキツい
山頂は、日陰もないため、あまりここで休憩していては体力がなくなりそうです



天女山との分岐に差し掛かった後は、ただひたすら下山コースとなります



ここからの景色も結構いい感じ



森の中が多いですが、何箇所か景色が見えました



このような道を下るだけですので、歩きやすいのですが・・・



こんなトゲトゲも混じっていたりして、意外に油断なりません



9時ごろの富士山
これ以降になると富士山も雲がかかってきてしまうんですよね



編笠山の横を歩いていくのですが、本当にどこから見ても笠のような綺麗な形でした



やっとこ木戸口



ここから、予想以上の長期戦
歩くコースは楽なのですが、とにかく終わらない下り



ヘリー・・・惜しい



当然のことながら、ヘリポートからの富士山側は、非常に良く見えました
しかし、ここでのアブの攻撃が苛烈を極め、休憩出来ずに撤退・・・



笹すべり・・・名前の通り、笹いっぱい




ここにも雲海?! と探したものの何処か良くわかりませんでした



飛んでいきそうです



延命水は、ケモノの棲家のようで使えなくなってしまったそうです、残念



いやいや、道を間違えたわけではなくて、ちょっと延命水の様子を見たかったのでして・・・



このコース唯一の休憩ベンチ、思ったより時間がかかりました



天女山との分岐に差し掛かった後は、ひたすらの下山コースとなります。ちょっとしたピークはありますが、後はただひたすら下るのみ。連休最終日といっても、人も殆どいないコースですので、ノンビリ歩くことが出来るのは、楽しいものです。時折右手には、編笠山のこんもりした山が見えまして、開けた場所に出ると、編笠山の緑と雲の白と空の青のコントラストがとても綺麗で、ついつい休憩としてしまいます。
編笠山から直接観音平への下山道よりも倍くらい所要時間がかかっていますから、ちょっと長いのは覚悟していましたが、予想以上の長期戦。目安の標識が無いことも一因かもしれませんが、ヘリポート、笹すべり、と目安はあるものの同じような下り道がなかなか終わってくれません。特に、歩き辛い訳でもないですが、まさにボディブローのような効き具合。途中から巨大アブの再びの参戦もあり、ゆっくりすることも許されず、ベンチのある延命水の分岐まで、せっせと下ることとなったのでした。
距離的に見ても、ベンチの先は、すぐに『八ヶ岳横断道路』の分岐になると踏んでいたのは間違いではなく、程なくして分岐につきあたりました。やっとこの下りも終了、後は道沿いに観音平に向かうだけです。



やっとこ到着、後は、観音平まで歩くだけとなりました



そんな精神的に余裕が見えた所で、地図上に『八ヶ岳神社』の表記を見つけたのです。この分岐のそばにあることになっていますが、周囲を見渡してもそれらしきものはありません。神社と聞いては、行きたくなるのは、当然の理。標識には、この先を下ることになっているのですが、下った先には、それらしい場所が見当たらりません。少し距離があることも想定して、ザックは置いていくことにしました。空身にダブルストックで下り坂ですし、もう感覚としては、終わった感じになっていたこともあって、下り坂を文字通り飛ぶように歩いて行きました。トレイルランって、こんな感じなのかなと、疲れを忘れてガシガシ歩いて行くと、標識を見付けました。



・・・無くなってしまったのかな?



八ヶ岳神社の表記が何故かテープで隠されていたため、無くなってしまったのかとちょっと諦め気味にさらに下ると、再び四つ角分岐にあたりまして、そこに八ヶ岳神社を見つけたのでした。良かった、良かった。



今回の山行の無事を感謝



この四つ角分岐を右に進んでも観音平に行ける事を知って、ちょっとショックを受けましたが、置いてきてしまったものは取りに行かなければなりません。来た道をしばらく進んだ所で、1つ分かったことがありました。先程はしゃいで走った結果が、登りに如実に現われまして、空身だというのに足が進まなくなってしまったのです。これしきの登りで九十九折を全休みとなってしまうだなんて・・・いやはや、油断大敵です。



これの道なら大丈夫だと思っていたんですけどね・・・



何とか、元の分岐に戻ってきて、ユルユルと歩き易い道を観音平まで歩く予定で勝手に考えていましたが、しばらく進むと、下り階段がでてきました。



長い長い下り階段



全体のコースタイムが往路/復路とも同じということは、階段でダラダラ下った先には、登りの道が待っていることになるのは、当然のこと。案の定、階段の先からは、つづら折りの登りになっておりました。まぁ、階段よりはましですから、このコースを階段にしなかったことを感謝したいですけどね。最初のような平らなコースを移動するだけかと思っていましたが、思った以上に時間を要してしまい、観音平に着いた時には、一仕事したかのような徒労感でいっぱいいっぱいでした。



こんな登りにいっぱいいっぱいとは・・・終了前に無駄な体力を使うものではないですね



ようやくゴール、最後まで油断ならない3日間でした



お昼になるとは思っていなかったのですが、何とか到着出来たことに感謝しつつ、これなら夏山も行けるかもとちょっと自信もついたのでした。

<おしまい>

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2 コメント

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絵に描いたような…… (To-ko)
2010-09-01 21:41:01
鮮やかな夏山ですね!
読んでるこちらも、たっぷり歩いたような気になりました♪
それにしても……どんなに疲れていても、気になる場所があると絶対に寄り道してしまう飼い猫さん、好きだなあ(笑)
夏山 (かいねこ)
2010-09-02 00:23:44
>To-koさん

ご覧下さいまして有難う御座います。
皆さんのようなアグレッシブさがないもので、実際、こういった夏山は、あまり行ったことがないのですよ…(汗)。夏は仕事が目一杯ですし。余暇が出来ると変な場所目掛けて旅行に行ってしまいますから(笑)。今回のような夏山でしたら、また行ってみたいですね。

そうそう、気になる場所は、どうも行かないと勿体ない気がしてしまうんですよね。特に大変な山ですと「二度と来たくなくなるかも」と思ってしまって(笑)。

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