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ドル円等のトレンド分析(2023年9月2日)

 毎週土曜日に為替トレンド確認のために個人的に行っているトレンド分析の9月2日分(7月31日~9月1日)。


分析結果と各ペア動きのまとめ

 トレンド分析のサマリ部分(見方の説明は2020年2月3日の記事参照)。


 各通貨ペアの日足チャート

 出所:セントラル短資FX|為替チャート一覧


 ドル円8月1日のISM製造業総合景況指数が9カ月連続の縮小で一時143円割れとなったがすぐに戻した。その後8月2日にフィッチが米国債をAAAから格下げしたためドル安に振れ、8月4日の雇用統計はまちまちの結果だったがドル安が進み、8月7日に8月安値の141.511円まで下げた。

 しかし、その後は順調に戻し、8月7日から16日まで連続陽線で146円台を回復した。その間、8月10日のCPIは2カ月連続の低い伸び8月11日のPPIは予想を上回る伸び8月16日の前月FOMCの議事要旨公表では追加利上げの可能性が高まったと受け止められた。

 その後はジャクソンホール会合待ちとなって概ね横ばいの動きを続けた。8月25日のパウエル議長講演の内容は基本的に従来通りで、必要に応じて追加利上げの用意があることと、利上げ停止後も高金利が維持されることが示唆された。ドル円は8月29日には一時147.377円の高値を付けた。

 8月30日のGDP 4~6月改定値は下方修正されて一時146円割れ、9月1日の雇用統計もまちまちの結果だったが一時144.4円台まで下げた。しかし、ISM製造業総合景況指数が予想より強かったこと等から米金利が上昇して146.2円台まで戻して終えた。


 ユーロドル8月10日に$1.10551まで戻したが、その後は続落した。8月23日のユーロ圏PMIで経済活動の一段の鈍化(ドイツの総合PMIはコロナ禍だった20年5月以来の低水準)を確認し、8月25日には$1.07642まで下げた。

 その後は小反発し、ドル安の影響で8月30日には$1.094台まで戻した。しかし、8月31日のユーロ圏CPIでインフレ鈍化が止まり、追加利上げの判断が難しくなったと捉えられユーロ安に振れ、$1.077台で終えた。


 ユーロ円8月3日に8月安値の155.5円台を付けたが、ドル円の戻しの影響が大きく、8月10日には約15年ぶりの159円台に載せた。その後は横ばいの動きの中で上下に振れ、8月30日には159.766円の高値を付けたが、急反落して157.5円台で終えた。


各国の動きとニュース

米国関連

8月1日 ISM製造業総合景況指数

8月2日 フィッチによる米国債の格下げ

8月4日 雇用統計

8月10日 消費者物価指数

8月11日 生産者物価指数

8月16日 FOMC議事要旨

8月25日 ジャクソンホール会合でのパウエル議長講演

8月30日 GDP 4~6月改定値

9月1日 雇用統計

9月1日 ISM製造業総合景況指数


EU関連

8月23日 ユーロ圏総合購買担当者指数

8月31日 ユーロ圏消費者物価指数


日本関連のニュースは特になく、解説記事

 日本もCPIが上がり続けて欧米に引けを取らないインフレになっているのに、日銀はいつまでマイナス金利なんてやっていのだろうか。日本は資金供給源だから、米国から利上げするなと言われているという説もあるが、以下の図をみると信憑性が高まるなあ。


 出所:下記の記事から引用


 最近は、構造的に円高になり難いとか、円高になってもしれているとかの論説が増えてきたが、どうなんだろうか。日銀が短期金利での利上げに動かざるを得なくなると結構な円高になると思うが。



BRICS拡大とペトロダラーへの懸念

 BRICSが拡大し、親米だったはずのサウジアラビアも加盟予定だ。アラブ首長国連邦も加盟するので、原油生産・価格への影響力も大きくなる。米国の言いなりにならない国が増え、連携しつつある。


 米国とサウジアラビアの約束で原油の決済はドル建てで行う(SWIFTを使う)ようになった。米国が金本位制を止めた後、ドルの価値を裏付けるものとして機能し、ペトロダラーと呼ばれた。しかし、米国がロシアへの制裁で外貨準備の凍結やSWIFTからの排除を決めたことで、非米国のドル離れを促すことになった。今回のBRICS拡大は、ペトロダラー体制への中長期での影響は避けられないと思う。




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