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ドル円等のトレンド分析(2022年9月3日)

 毎週土曜日に行っている個人的なトレンド確認用の分析の9月3日分。8月1日から9月2日の動きをまとめている。


分析結果と各ペア動きのまとめ

 まずは、毎週のトレンド分析のサマリ部分だけを以下に載せておく(見方の説明は2020年2月3日ブログ記事参照)。




 各通貨ペアの日足チャートは以下の通り。


 出所:セントラル短資FX|為替チャート一覧(https://www.central-tanshifx.com/market/chart/)


 ドル円は7月から調整を続けてきたが8月2日に130.39円で底を打って反転した。8月5日の雇用統計は良くて135円台を回復したが、8月10日のCPIは予想以上に減速したため132円台まで下げた。その後、FOMCメンバが相次いでインフレ抑制発言したため137円台まで上げたが、8月23日の総合PMIは2020年5月以来の低水準となったため136円割れとなった。

 8月26日のジャンクソンホール会合でのパウエル議長講演は高金利を維持する可能性が高いと示唆するものであったため、ドル円は上げ足を速め、9月1日には7月14日の高値を更新して140円台にのせた。そして、9月2日の雇用統計でも労働市場の健全性が確認されて140.8円手前まで上げた。

 トレンド分析は後追いでトレンドの確認をしていることになるが、ドル円は8月14日の分析では売転換した。昨年12月25日の分析で買転換して以来だったが、その時は12月11日の分析で売転換してから短期で元に戻っただけだった。結局、今回も8月20日には買転換し、ドル円の買トレンドの強さを再確認することになった。


 ユーロドルは、8月10日に$1.0369手前まで上げたが、8月22日には再度パリティ割れとなり、7月の安値を更新して8月24日には$0.990を付けた。その後も何度かパリティ割れとなったが安値更新はなく、一方でECBの0.75%利上げ観測があっても上値は$1.010に届かない状況となっている。

 ユーロ円は、ドル円の影響の方が大きく、8月2日に133.3円台まで下げた後、急反発、横ばい、再上昇となって9月2日には140.7円台まで戻した。


各国の動きとニュース

 今回の記事の対象期間内には2回の米雇用統計の発表があった。
 まず、8月5日発表の7月の米雇用統計。雇用者数は予想を大幅に上回る伸びで、リセッション懸念が和らいだ。


 続いて、9月2日発表の8月の米雇用統計。米雇用者数は予想を上回る伸びだったが、失業率は上昇した。ただ、失業率上昇は労働参加率が上昇したことによるものだったため、労働市場の健全性は確認された。



 ニュースの時間が前後するが、8月10日発表の7月の米CPI。エネルギー価格が低下して予想以上に減速し、利上げ圧力が緩和したとみなされた。



 8月11日発表の7月の米PPI。前月比0.5%の低下で、コロナ禍初期以来のマイナスとなった。



 8月23日発表の8月の総合PMIの速報値。製造業PMIは低下も拡大圏を維持したが、サービス業は2カ月連続で縮小となった。


 このニュースで戻り歩調のドルが1.5円ほど急落したが、この指標はこれまで注目されたという記憶がない。最近は、米国の景気、物価に関する指標を基に金利の先行きを予想して金利、為替が動くのが目立ってきた気がする。転換期だからか、AIによるアルゴリズム取引が動きを増幅しているのかは分からないが。

 8月26日のジャクソンホール会合でのパウエル議長講演。FRBの利上げペースや利下げに転じるかを読み取ろうとして注目されていたが、高金利を維持する可能性高いと示唆された。ドルも上げたが、金利高(による景気減速)への警戒感からNYダウが$1,008も下げることになり、その後も下落基調になっている。



 ジャクソンホール会合で、多くのECB当局者が欧州のインフレ対応で利上げの考えを示した。



 ジャクソンホール会合でも日銀の黒田総裁は当然ブレなかった。パネル討論会後の質疑応答で、賃金と物価が安定的かつ持続可能な形で上昇するまで持続的な金融緩和を行う以外に選択肢はないと述べた。また、日本のインフレ率について、来年には1.5%に向けて再び減速すると予想していた。



 米国の金利は上昇、欧州も金利上昇だがウクライナ懸念が続き、日本は金融緩和維持なので、ドル円が買われるのは当然という状況になっている。世界的なインフレは、食料や燃料の輸入が多い日本にはマイナスだ。ドル円は9月に入って高値更新してきているが、月足チャートで見れば次の上値目標は1998年8月の147円台ということになる。一度は本格調整してからだと思うのだが、先のことは分からない。


 最後にコラム記事を一つだけ。ドル円は下落基調に入りにくいという見方だ。現状整理としてはよくまとまっている。


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