秘密の結婚１

その衝撃的な事実を知ったのは私の芸術高校の入学式の夕方だった



今日から私は既婚者、、つまり所帯持ち、、てか
突然私のベッドを共有する夫のある身になってしまっていた。。泣



以前からお祖父ちゃんがお国の為に貢献してご褒美を貰ったとは聞いていたけれど
私の両親を見る限りとても信じられない話だったので、全然本気にしていなかったのに
まさかこんなに早くソレも予想外の速さで、現実になるとは夢にも思わなかった



高校入学と同時に新妻♡って、誰が予想出来る？この展開。。



そして何より驚いたのは私の夫として私の実家に同居する事になったのが、
我が国の皇太子シン皇子だったって事なのよ。。●～*



一国の皇太子が極・極・庶民の私と結婚すると言うだけでも
大ニュースなのに、庶民の家、ソレも妻の実家に同居？なんて
天地が引っくり返る程の大事件のはずなのに
テレビのどのチャンネルを捻っても皇太子の入学のニュースだけで
結婚のけの字も出ていない！



それもそのはず、それには深～い事情があったの！



余り大きな声では言えないけれど、
今の皇室には同じ年で序列が同列のユル君とシン君がいるの
そのどちらかが次の皇位を継承する事になっているのだけれど
そのどちらが皇帝になっても可笑しくない状況なのよ！



だからどちらかを選ぶ為には何かお得な点が有る方を
皇位継承者にしようと王族の長老達が茶のみ話で話したらしいの



それを聞いた尚宮が太皇太后にこっそり耳打ちして、
お得な事と言えば、明るい未来＝皇孫って事で
シン君とは幼馴染で、お祖父ちゃんは皇室とも縁がある
私に白羽の矢が立ったって訳なのよ、



だから一刻も早く皇孫をと期待されているのだけれど
皇孫を早くと言われてもね～。。
私が一人で作る訳にいかないし、汗



それに私が皇太子妃として正式に紹介されるのは
私達が成人するか、皇孫が授かった時と言う事になっているの
だからソレまでは皇太子の結婚は極秘扱いなのよ。。



そんな重大な任務を引き受けたのはいいけれど、
幾ら秘密の作戦だと言っても何もこんな狭い私の実家じゃなくて
行宮でも温陽の離宮でもいいじゃないって凡人は思うだろうけど



其処には反皇太子派の人達が秘密裏に潜入しているかも知れないでしょ？
それに、こういう機会に庶民の生活を知ることは将来の国父として
きっと役に立つだろうからって



私の実家で同居するのもいいんじゃない？と
世界を股に掛けた皇室の探検隊長でも有るお義姉様が提案して下さったのよ



私もまさかこの年で結婚するなんて思っても居なかったから
花嫁修業もしていないし、第一皇孫の作り方もまだ勉強中♀♡なんだもの
ママやパパに色々教われる我が家での同居もいいかな～ってね



でもね、ハァ・・
トントン拍子に決まった私達の秘密の結婚なんだけど、
やっぱりちょっと胸が痛いのよね。。。



ここまで育てて貰った両親の恩を考えると嫌とは言えないし、
相手に不足は無いし、シン君が嫌いと言う訳でもないのよ！



子供の頃から宮殿へは自由に出入りしていたし、
私の一番最初の記憶が子犬に追いかけられて泣いているシン君だったという位
古くからの付き合いだから、シン君がどういう人でどんな性格かを
一番よく知っているのは私だと思うから結婚相手に選ばれたのだと思うけど



でも幼馴染と夫は全然違うでしょ？



それに私にだって、結婚への憧れがあったのよ・・・
燃える様な大恋愛をして愛する人と教会で結婚式を挙げるの♪



真っ白なウエディングドレスに包まれてバージンロードをパパと歩いて
パパの手から生涯を共にする愛する人に手を預ける、
そして、全員が見守る中、あつ～～い♡kiss♡で生涯を誓い合うの♡



ブーケは親友のガンヒョンにしようか
それともヒスン、、スニョンにしようかな～って考えていたのに
その全てがオアズケ！



成人までには後4年も有るし、妊娠に関してはまだまだ勉強中だから自信ないし　汗。。
それに妊娠中の大きなお腹でウエディングドレスって言うのもなんだかな～、、



だって、妊娠しているのにバージンロード？って可笑しくない？　●～* 汗。。



ま、それでも私はマシな方よね、
昔の皇太子妃なんていつ命を狙われるか判らない宮殿で
どんな性格かも判らない人を夫に迎えて、王子を生む為だけに一生あの中で過したのだから、、
ソレを思えばまあ、よしとしようか



と言う訳で、私の夢とは関係なく、双方の親同士で結婚に関する相談は進められ、
私達が入学式に出席している間に婚姻届が提出されて私達は書類上は正式な夫婦になった
らしいの



そんな事を全然知らずに入学式を終えて家に帰り玄関を入って最初に見たのが
大きな荷物と一緒に出迎えてくれた幼馴染のシン君



アニ、
これから一生を共にする事になった私の夫のイ・シン皇子だった。。●～* 沈