時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

憲法は改正すべきか否か?

2024年05月01日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の39)」
憲法は改正すべきか否か?

早いもので、総理が国賓待遇でアメリカを訪問してから1ヶ月が経った。
この国の安全保障戦略を見直して、防衛費の増額を宣言し、反撃能力の保有に一歩踏み込み、
さらには装備品の輸出ルールの変更などを公にしてからの訪問だっただけに、
同盟国のアメリカの大歓迎は・・・ あまりにも分かり易かった。


一方でそれが面白くない、批判的なメディアがお抱えのコメンテーターたちは、
この国の総理も、アメリカの大統領も・・・ 秋には居なくなる可能性が高いというのに、
「なにやってんだか?」と、想定通りに手厳しいコメントを発したが、
はたして、そんなに的外れな会談だったんだろうか?

レフトウイングに陣取る方々は「この国は戦争が出来る国になった。」と声を荒げるが、
そもそも他国から侵略を受けたら、同盟国であるアメリカとともに、
防衛のための戦いは厭わないはずであって、すでに戦争が出来る国であることを忘れてないだろうか?

この国は、平和憲法にあるように・・・ 他国の主権を侵すことはないが、
国民が危険にさらされ、主権を侵されるような攻撃を・・・ 他国から仕掛けられたら、
けっして座して死を待つわけじゃなく、領土の侵略、割譲を認めるわけでもなく、
さらにさらに同盟国に対応をお任せして「金持ち喧嘩せず。」を是とすることもないだろう。

ハッキリさせておこう。
安全保障戦略を見直したから、突然降って湧いたように戦争が出来る国になったわけではない。
自衛といった枕詞は付くが、自衛のためなら同盟国とともに、
この国で日々鍛錬している自衛隊員が、武器を持って戦うことを・・・ 忘れてはならない。

そこんところを勘違いして、この国には平和憲法があって、
さらに日米安全保障条約もあるんだから、有事など起こるわけがないし、
そもそも憲法によって戦争を放棄している国に、侵略を仕掛けてくる国などあり得ないと高を括り、
外交でなんとかなると・・・ 暴走し放題の隣国を、みくびっていないだろうか?

戦後約80年、この国は平和憲法に心酔し、憲法議論を避けてきた経緯があり、
これまでも、世界の各地で起こった・・・ あらゆる戦禍において、
口と金は出すものの、汗を掻かない、血を流さないといったスタイルで押し通し、
ありがたがられても・・・ 尊敬されない国だと表されたことを、どう捉えれば良いのだろうか?

もちろん、それで良い、尊敬などされなくても良いから、
汗も掻かないし、血も流さないも・・・ 一つの考え方ではあり、
頭ごなしに、否定するものではない。

そこには、この国は先の大戦に敗れた2年後に施行された平和憲法によって、
海外への派兵に制約がかかり、武器の供与にも制約がかかっているし、
そもそも論で、自衛隊の存在そのものに・・・ 疑問を投げかける方々も多数いる。

決めたことは頑固に守る、断固として守る。
その生真面目な国民性によって・・・ 世界の各国から、
信頼と信用を得られたと推察しても、強ち間違ってはないだろう。

然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ G7の一翼を担うまでに経済発展し、
影響力のある国になったにも拘らず、
約80年もの間、世界の各地で起こった戦禍において、
自国のこととして置き換えて考えることを、頭の中から完璧に消しさったことも否定はできない。

早い話「なにをすべきか?」と・・・ 悩み、考え、議論することを止めたのである。
「平和憲法があるからそれしかないし、それで良いんだ。」と安易に妥協し、
善意の第三者として、安全な居場所から眺めながら、好き勝手にもの申してきたのである。

戦後79年、平和憲法が施行されてから77年、
この約80年の間に、世の中のパワーバランスは随分と変わってきている。
国連の安全保障理事会で・・・ 拒否権を持つ二つの常任理事国が、
ここにきて、問答無用で他国に侵略戦争を仕掛け、領海の線引きを平然と変えているのである。

かつては世界の警察を自負し、揉め事の仲裁役を担ってきたアメリカだったが、
いまのアメリカにそのパワーはなく・・・ 同盟国を中心にした戦略に転換している。

自国第一主義を掲げて、1対1でビジネス的な契約を求めるアメリカの前大統領が、
秋に復活でもしたら、どこまで本気か、どうかは分からないが・・・ 側近のコメントによれば、
侵略を受けたウクライナに、侵略を仕掛けたロシアへ領土の割譲を求めるらしい。

それをこの国に置き換えれば・・・ 「おもいやり予算(防衛費)」を増額しなければ、
「沖縄からアメリカ兵を撤退させるぞ。」
「安全保障条約を破棄しても良いぞ。」ぐらい平気で脅してくるだろう。

だから、その布石のために、総理が先月アメリカを訪問したんだと思うが、
辺野古問題を抱える沖縄県からしたら・・・ アメリカ軍の撤退は、まさに渡りに船だが、
アメリカ軍が撤退したフィリピンの海(南シナ海)で、いまなにが起こっているのか、
それと同様のことが東シナ海で起こる可能性も否定できないだろう。

我が国の領土である尖閣諸島の近海では、すでにそれに近いことが起こっているが、
それでも尖閣諸島に上陸して・・・ 赤い旗を立てないのは、
沖縄にアメリカ軍が居るからではなかろうか?

アメリカ軍が沖縄から撤退したら・・・ 有事の際には自衛隊がその任を負うのである。
もし、そうなったら、防衛予算は途轍もなく膨れ上がるし、
それこそ、平和憲法を改正しなきゃならなくなるのではなかろうか?

戦後から間もない、この国において・・・ 平和憲法は戦勝国主導で施行されたが、 
既存の価値観と対峙していた、腹の中に一物を溜め込んでいた体制の反対側いた方々は、
このとき、いったいなにを考えていたのだろうか?

おそらく「もっともっと議論させてくれ、我々の声を聞いてくれ!」
だったと推察するが、
いま、そういった方々が、頑なに議論を拒んでいるように見えるが、
それって、私のメガネが曇って見えてるのだろうか?
約80年の歳月は、そういった方々の思考と行動を・・・ 180度変えてしまったようである。

戦後の混乱期において、議論し整理しておくべきだった、国家としてのグランドデザインを、
国民が学び、考え、議論を尽くす前に・・・ 戦勝国主導の憲法が施行されてしまうと、
言論と行動の自由という、この国になかった権利を手に入れたことに、すっかり満足してしまい、
約80年が経っても、憲法についての議論が出来なくなってしまったようである。

そう言った意味では、現行憲法をいま一度考えてみるべきだと思うので、
変えるも良し、変えないも良し、加えるも良しではなかろうか?
税制しかり、福祉しかり、教育しかり、国防しかり、いまあるさまざまな問題の根っこは、
約80年もの間、議論することをサボったことに、あるような気がしてならない。

よって、あくまでも個人的な思いではあるが、憲法を聖典のようなものと捉え、
時代の進化や変化との、整合性を取ろうとしないで、
頑なに護憲を貫き、議論に背を向ける屈折した考えには・・・ 申し訳ないが同意出来ない。

改憲すべきか否か・・・ 私にも私なりの考えはあるが、
私はいま、この国を支える現役世代ではなく、支えていただいている年金世代であることから、
狡いかもしれないが一歩引いて、国民投票に至るまでは自分の考えを封じることとし、
これから先、この国を支えていく、現役世代の方々に託したいと思っている。

よって、高齢の国会議員の方々には、大変申し訳ないと思うものの、
年金受給の年齢に達した65歳以上の議員さんは、この議論から外れていただけるとありがたい。

そして、このような時代だからこそ・・・ 正義と勇気の旗を高く掲げ、
世界市民として、胸を張って活動できる憲法を提案し、国民投票で是非を問うていただきたい。
もちろんそこには、変えないという選択肢があっても良いし、あるべきであり、
国民投票に至らない場合があることも、当然のことだと了知している。

古より、この国では・・・ 震災などの自然災害においては、
最悪の事態を想定して「準備を怠るな。」と先人から学び、後生に伝えてきたが、
有事が起こることを、頭の片隅でも良いから想定しておき
「準備を怠るな。」といったような教えは・・・ 残念ながら聞かないし、学んだこともない。

憲法記念日にあたって、改憲派も護憲派も、毎年のように気勢を上げているが、
仲間内で集会をすることを、否定するつもりはないものの、
双方の論客が堂々と議論をする、憲法記念日であってほしいと願ってやまない。

護憲派は、裏金問題などを起こした・・・ 法律を守らない者が、
憲法改正などと、ふざけたことを言うなと鼻息が荒い。

全くもって正論であり、改憲派も返す言葉が見つからないと思うが、
とはいえ・・・ そういった問題が起こる前から、憲法論議に耳を傾けることなく、
議論を避け続けてきたことも、隠すことができない事実であって、
明らかにサボタージュだと言わざる得ず・・・ 品がなくて申し訳ないが、目くそ鼻くそである。

今日から5月であり、そろそろ旬な話題かなと思って、タラタラと能書きを垂れてしまったが、
本文はあくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解いただければありがたい。


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