時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

「いとこ」という血縁関係

2023年04月26日 | 時のつれづれ・卯月 

多摩爺の「時のつれづれ(卯月の41)
「いとこ」という血縁関係


朝の連続テレビ小説「らんまん」だが・・・ 今週に入って驚きの展開になってきた。
姉弟として育った綾と万太郎が、実は従弟(いとこ)どうしだったというのだ。

「いとこ」とは、双方の親のどちらかが・・・ 同じ祖父母から生まれた兄弟であったり、
兄妹、兄姉、姉兄、姉弟、姉妹だったりするので、血縁関係を把握してないと分りづらいが、
遠くて近い血縁関係にあり・・・ 漢字で表わすと、誰から誰のことを指しているかによって、
従姉、従兄、従弟、従妹、従姉妹、従兄弟など、性別や年齢によって使い分けることになっている。

自分たちの親の世代までは・・・ いま問題視されている宗教団体のように、
会員の拡大を目的とするものではなく、
先祖代々から引き継いだ家を守るため、田畑を守るため、墓を守るため、氏を継承していくために、
「いとこ」という、遠くて近い血縁関係の子どもたちが養子にされることがあった。

いまとなっては・・・ どうでも良い話であり「そんなことがあったのか?」程度の話しだが、
私の家系にも、ちょっと複雑な「いとこ」関係があったので、
内輪の話で恐縮だが・・・ もう時効と言うことで、長文になるが記してみようと思う。

我が家のルーツは・・・ その昔、石見国(島根県西部)で、庄屋というほどでもないが、
使用人を数名雇うような豪農だったと、祖母(父方)から聞いたことがあった。
田舎の田畑や、山なので・・・ たいした額にはならないと思うものの、
世が世であって、もしも本家なら、
ちょっとだけ羽振りの良い資産家だったかもしれない。

四人姉弟(女、女、男、男)の長女として産まれた祖母は、働き者の使用人(祖父)を養子に取り、
本家から2キロぐらい離れたところに、家を建ててもらい、
分家として所帯を持って・・・ 本家の氏を受け継ぎ、二男一女をもうけている。
因みに次女は嫁に出て、長男は後を継ぎ、次男は養子に出されている。

祖母曰く、二人の弟に跡継ぎが出来なければ、自分が本家を継ぐために、
親(曾祖父)の意向により、真面目で働き者の使用人だった祖父と結婚させられたらしい。
なんだか、朝ドラの「らんまん」の今後の展開のようでもあるが、
なにかと話題の、英国王室風に例えれば・・・ スペアということになるだろう。

祖父は私が9歳のとき、55歳で早逝したが・・・ 私の記憶のなかでは、とっても優しい人で、
悪ガキだった私でも、叱られた記憶が一つもなく、
朝早くから、日が暮れるまで仕事をしている働き者だった。

分家なので、けっして裕福ではなかったが、
夏は夕方になると、近所の川にでかけ、家族の数だけ鮎を釣って、
それを塩焼きにして食べるのが贅沢だったことを思い出す。

ただ一つだけ、鮮明に記憶として残っているのは、
ご飯のお代りを、2杯までしかしなかったことである。
私には「大きくなれ!」と言いながら、おかずを分けてくれたり、ご飯のお代りを勧めるのに、
自分は、ふかした芋の皮を丁寧に剥きながら、穏やかな顔で食べていた強い人だった。

子どもの目には・・・ 祖父母は、仲の良い夫婦に見えたが、
そこには、子どもが知る由もない拘りというか、
目には見えない、上下関係が続いていたのかもしれない。

その祖母と、私の母方の祖母は、縁とは不思議なもので従姉妹(曾祖父の妹の娘)関係にあり、
本家から4~5キロ離れたところで・・・ 農業を営んでいた。

時代は大正時代の終わりのころ、祖母の住む町から少し離れてはいるものの、
海軍に奉職していた商家の長男が、実家を継ぐために帰郷することになり、
父方の祖母に、見合いの話しがきたらしいが、
曾祖父は、祖母を本家のスペアに取っておきたかったらしく、
その話を、嫁いだ妹の娘(従姉妹)に持っていったことから・・・ 新たなドラマが始まる。

結局、嫁いだ妹の娘(祖母の従姉妹)は、商家の長男に嫁ぎ・・・ 母が生まれている。
そして・・・ 昭和4年に生まれた父(祖母の長男)と、昭和5年に生まれた母(従姉妹の次女)は、
20数年の時を経て見合いで結婚し・・・ 昭和29年に私が生まれることになった。

ここまでなら、そういった時代のことだから・・・ 普通にあったことだと思うが、
頭が痛いのは、祖母(姑)と母(嫁)の関係が良くないことだった。

母は祖母につくしていたが、祖母の母に対する嫌がらせは・・・ ホントに酷かった。
原因はただ一つ・・・ 商家の奥さんになって、不自由のない生活を送っている従姉妹の居場所は、
本来なら自分が居た場所だったとの僻みと、
見合い話を母方の祖母(従姉妹)が持ってきたことに、上から目線を感じたことらしい。

このことは、母や二人の祖母から直接聞いた話ではないが、
たぶん、そうなのかもって・・・ 思っていたし、
母方の祖父の葬儀のとき、母の姉(伯母)からそういったことを聞いたので、
強ち間違いではないだろう。

気が強くて、なんでも自分で仕切りたい祖母が、祖父が亡くなって我が家にやってくると、
家庭の中が一気に気まずくなり、会話が減ったことをよく覚えている。

3年後、祖母は共働きで教師をしていた娘(父の妹)のところに行き、
15年ぐらい、孫(叔母の子ども)の面倒を見ることになるが、
傘寿を過ぎたころ、再びうちに戻ってきた。

歳を取っていたので、少しは穏やかになってるのかと思ったが、
毎朝、縁側に座って・・・ 虫眼鏡を使って、新聞を読んでいる姿には、
なにかしらのプライドを感じたものの、きつい性格は変わることなく、
母との関係は、とうとう改善することがないまま、祖母は88歳になる年の春に逝っている。

昨年、冗談半分だが・・・ 母に「婆ちゃんと同じ墓に入るのは嫌やろ。」と聞くと、
母は「私が一緒に居なきゃ、だれがあの人の面倒見るのよ。」と言うと、
「◯◯ちゃん(父の弟の嫁)が、一緒にお墓に入ってくれるって言ってくれたから、
 心配しないで良いよ。」と返してきた。

さらに「私は、あの人の行動と言葉に、いろんなことを学んだから、
あなたの嫁(女房)が、娘(妹)と同じぐらい可愛いのよ。」と続けてきたので、
私は返す言葉が見つからなくて・・・ うるっと来たことを覚えている。

それはそれとして・・・ そろそろ、両親が苦労して建てた実家についても、
これからどうするのか、決めねばならない。
私はマンションだが、妹は戸建ての家があるし、子どもたちが近くに住んでいるので、
実家に帰って家を継ぐことができないのである。

そんなことから、妹とはすでに話し合っており、母からも内諾を得ているので、
今夏に帰郷したとき、まずは県内に住む従妹(叔父の娘)夫婦と話し合って、
実家に住んでくれるのなら・・・ 登記の変更料だけ出してもらえれば、
無償で譲渡しようと思っており、会って話をするつもりだ。

私の妹夫婦や、女房の妹夫婦、さらには弟夫婦を含め、
私には、両親が良好な関係を築いてくれた伯母、叔父、叔母がいて、「いとこ」たちがいる。
こういった血縁関係は親が築いて、子どもに繋げなければ、いつしか疎遠になるだろう。

悩みも、苦労も尽きないが・・・ まだまだ努力が足りないし、
私には、やることがたくさん残っているようだ。

この春、93歳になった婆さんを、けっして一人で生活させたいわけじゃないし、
私も妹も、一緒に住もうとなん度も誘っているが、けっしてクビを縦に振らない頑固ババアと、
すでに老後に入って久しいのに、
今年もまた、今後の生活についての話し合いを持たねばならない。

話すだけで、説得が出来ない親不孝者だと、
妹から、いつも叱られていて・・・ 申し訳ないし、情けないが、
こればっかりは、首に紐を付けて引っ張ってくるわけには行かないので悩ましい。

「ババァ、いい加減に言うこと聞けよ!」
その一言が・・・ 喉元まで出かかっているのに、どうしても口から出てこない。
今年もまた、帰り際に妹から叱られることを、覚悟せねばならないだろう。

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4 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2023-04-26 07:38:59
私も嫁姑問題では苦労しましたが、多摩爺さんのお母様はよく出来たお嫁さんで、かつよく出来た姑さんでしたね。最後まで大事にして差し上げてください。
Unknown (多摩爺)
2023-04-26 08:40:40
水仙さん、おはようございます。

我が儘な、ホントに我が儘な、クソババァですが、大事な、大事な母親なんです。
親孝行できればと思っています。
Unknown (platsake)
2023-04-26 12:29:48
こんにちは(@^▽^@)🎵。 私の先祖も、石見銀山近くから、宮大工としてこの地方に来ました。 祖父の兄弟はたくさん居て、養子や従兄弟同士の結婚などがあって、親世代の従兄弟はたくさんいたようですが、私の従兄弟は、皆 出来が良い人たちなので、出来損ないの私としては、憧れと嫉妬心が今でも少なからず持っていますWw。 でも、従兄弟をはじめ、親戚はこれからも大事にしたいと思っています(@^▽^@)💕。
Unknown (多摩爺)
2023-04-26 13:24:43
platsakeさん、こんにちは

東京にでていると、親戚づきあいが少なく、あまり気になりませんが、
考えてみれば、兄弟やその子どもたちの次に近い血縁は叔父やお伯母で、その次が従弟たちですから、
冠婚葬祭が中心になってますが、大事に付き合いたいと思っています。
また、出来不出来については、お高くとまられると意識しますが、
気になると言うより、むしろ応援したいなといった感じで付き合っています。

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