鑑賞日時:5/19㈰ 8:55~鑑賞場所:TOHOシネマズ新宿 『流浪の月』(2022年)の更紗(広瀬すず)は文(松坂桃李)と共に辛い社会から抜けだし、まさに「流浪」を選ぶことで救われることになるだろう。逆に『哀愁しんでれら』(2021年)の小春(土屋太鳳)は夫の大悟(田中圭)と共に社会に復讐するがごとき秩序破壊に向かった。今回鑑賞した『ミッシング』の沙織里(石原さとみ)は、はたして救われるのだろ . . . Read more
鑑賞日時:4/13(日)8時40分~鑑賞場所:TOHOシネマズ新宿 クリストファー・ノーラン監督は『ダンケルク』で「陸・海・空」と3つの時間軸の物語を並行させて描いたように、今回もロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)とルイス・ストローズ(ロバート・ダウニーJr)と2つの物語を並行させつつ、カラーとモノクロを使い分けて(監督デビュー作は全編モノクロ)爽快な疾走感を持って表現し、18 . . . Read more
鑑賞日時:2/11(日)14:15~95分コルム・バレード監督 寡黙な少女はある事情で両親から一時離れ、親戚夫婦宅で夏休みを過ごす。そこには彼女が今まで経験したことのない、親戚夫婦からの無償の愛情で包まれる。無償の愛情とは何か?どうして親戚夫婦がここまでコットを大切にするのか?見返りを求めない心情のやり取りではあるけれど、それによって少女の中に漂っていた不協和音がいつしか解きほぐされてゆったり . . . Read more
鑑賞日時1/28(日)13:30 Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下 快晴の日曜日。午前中は新宿マルイにあるKEYUCAで買い物をして、そのまま渋谷の映画館へ向かった。『ノスタルジア4K修復版』を鑑賞した。 なぜ今『ノスタルジア』をこんな寒空にわざわざ映画館まで出向いて観にいくのか?行動する動機とはなんなのか?…それはやはりアンドレイ・タルコフスキー監督の作品だからに他ならない。 . . . Read more
『離愁』1973年 ナチス占領下が舞台でもあるし、しかもレジスタンスであるが故に孤独に身を置くしかない女が、妻子ある男性と出逢ってしまい、避難民を乗せた列車で過ごしてしまう。果たして二人は、惹かれ合うと同時に悲劇的な結末は免れないだろう。案の定結末の秘密警察での再会場面では、私自身年甲斐もなく、胸にグッと来てしまった。もうロミー・シュナイダーの役柄として終始抑えたままの演技を続けて、最後の最後にあ . . . Read more
『太陽はひとりぼっち』1962年モニカ・ヴィッティのことはいくらでも語ることができるが、『太陽はひとりぼっち』の映画体験を語ることは容易ではない。このもどかしさはアラン・ドロンをもってしても難しい注文である。それがミケランジェロ・アントニオーニの世界観だと言われればそれまでだろう。『ある女の存在証明』の方がまだ生々しくも饒舌でわかりやすかった。しかし、それでも『太陽はひとりぼっち』を何度も観てしま . . . Read more
最近またトリュフォーの映画に目覚めている。私は2017年あたりから娯楽気分と人生学習半々程度の心持ちで、映画と音楽を歴史的に捉えるという課題を日々消化している。将来において残りの人生を充実させるための精神の波長を極限にあげていくためのミッションのひとつとして。
トリュフォーは一番最初に『大人はわかってくれない』を観てどうにもピンとこず、ベルトルッチの『革命前夜』の . . . Read more
【映画・DVD】ノスタルジア(1983年)
5月4日夜、『ノスタルジア』をDVDで観る。
もう何度も繰り返し観てきた自分の中の映画オールタイムベスト5に入る好きな作品だ。
有名な作品でもあるので詳細なストーリーの説明は割愛する。この映画を体験することは私にとっては既に、日常体験から遠く離れた癒しの拠り所となっていることを唐突に披歴してしまお . . . Read more
エル・スール HDマスター [DVD]クリエーター情報なしIVC,Ltd.(VC)(D)
スペイン内戦終結後の
少なからず影響下に漂う中
悲しい過去を背負った父。
その父をひたすら無邪気に
偶像視しながら成長していく少女。
自らに悲しい過去を持つということは
今現在も陰鬱に進行している空虚さを抱かざるえない
理不尽な宿命であるということ…とも言える。
その宿命への苦悩を秘密として
家族に内緒 . . . Read more