武弘・Takehiroの部屋

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大隈重信の「人生125歳説」と死生観

2024年05月18日 14時08分29秒 | 人生

〈2018年7月に書いた以下の記事を復刻します。〉

〈おことわり〉
この記事を書いているうちに、長生きするよりどう生きるか、どう死ぬかが重要だという話になってしまった。途中からテーマが変わってしまったので、はじめにお断りしておきます。

先日、大学時代の同窓会を高田馬場の早稲田で開いたが、その時、妙に気になったのが大学の創設者・大隈重信の「人生125歳説」である。これは大隈の持論だと言われるが、たしかなことは分からない。ただし同窓会では、知ったかぶりの私がこの説を引用して、「みんな長生きしようではないか」と挨拶したのだ。
そこでネットなどで調べてみると、大隈重信は野口英世らとの雑談中に「我輩は125歳まで生きるのじゃ」と述べたという。そこから人生125歳説が出回ったようだが、大隈が本気でそう思っていたかどうかは分からない。ただ、大隈さんという人はわりに“大風呂敷を広げる”タイプだから、自分が言っているうちに意外と本気になったのかもしれない。
その辺は分からないとしても、科学的・生理学的には、動物は成熟期の5倍は生存能力を有するという説があって、人間の成熟期を25歳とすれば、125歳までは生存できるという学説(?)があるそうだ。
大隈重信は結局、満83歳で没したが、「人生50年」と言われた時代にしてはけっこう長生きしたと言えるだろう。それはともかく、人間で一番長生きしたのは、科学的な立証で122歳164日まで生きたフランスの女性ジャンヌ・カルマンさんだそうだ。(参考・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%B3
つまり、人間はまだ125歳までは生きていないが、もう少しでそこに到達できる段階に来ていると言ってよい。だから、今や100歳まで長生きすることは当たり前になっている。 厚生労働省が昨年9月15日に発表した資料によると、日本の100歳以上の人口は6万7800人を超えた。
もちろん 医療の進歩などで100歳以上の人口は年々増えており、大半が女性だが(59627人・約88%が女性)、男性も8100人を超えている。こうした高齢化、長寿社会は今後ますます進んでいくだろう。(参考・https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14HA9_V10C17A9CR0000/

そのためか、政府も「人生100年時代構想会議」なるものを立ち上げ、新たな経済社会の在り方の検討に入った。こうした動きは当然かもしれないが、問題は、どうしたら長寿社会に対応できるかだと思う。国や地方自治体が対策を考えるのはいいが、要は個人々々がどういう気構えで臨んでいくかということだ。
これは人によってさまざまだろう。そんなことは考えないという人もいれば、何らかの信念や考えに従って生きていく人もいるだろう。それは各人によって違うが、こうして書いているうちに、はじめの「人生125歳説」がどうでもいい感じになってきた。
125歳は無理としても、100歳は当たり前の時代に入ったのだ。そこで長生きするのはいいが、かえってどう生きるか、どう死ぬかが大きな問題になってきたのではないか。
先日、横浜の病院で元看護師の女性が点滴に消毒液を混入させ、複数の年配の患者を“中毒死”させたとして逮捕される事件が起きた。これは社会に大きな衝撃を与えたが、話によると被害者は終末医療の末期患者のようだ。そこで思い出したのが、尊厳死や安楽死の問題である。
ただし、ここで尊厳死などの問題を掘り下げてやる時間はないが、一つだけ言いたいのは、長生きは良いとしても、どう生きるかどう死ぬのかという「死生観」人間にとって最も重要だということだ。ただ長生きすれば良いというものではない。人はそれぞれこの「死生観」を持って、最期の時を迎えなければならないと思う。そうでなければ、ただの動物や生物に過ぎなくなる。
はじめに、人生125歳説や100歳時代の話をしたが、最後は哲学的な死生観の問題提起になってしまった。話が飛んでしまってまことに申し訳ないと思うが、久しぶりに小論を書く羽目になったのでお許し願いたい。 
人生125歳もいいが、それだからこそ私のような年寄りは、今後もっと死生観を極めなければならないと思う。(2018年7月12日)


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