武弘・Takehiroの部屋

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寿命・・・昔と今

2024年05月11日 14時54分27秒 | 人生

<以下の文を一部修正して復刻します。>

寿命について考えてみたい。この前ふと、夏目漱石のことを調べていたら、彼は49歳で他界しているのだ。え~!?、そんなに若くして亡くなったのかと思ったが、事実である。
 「則天去私」などと悟りきったことを言っていた漱石は、今の自分より30歳以上も若いうちにあの世へ旅立ったのだ。49歳なんて、自分から見れば“若造”もいいところである。それなのに、大作家ともなるとやけに老成した印象を受ける。
 昔は「人生50年」などと言われた。平均寿命が今よりずっと短かったからだ。これはどこの国でもそうで、ロシアでは50歳を過ぎて生きているのは一種の“罪悪”といった格言もあった。レーニンが50歳を超えた時に、その格言を引用していたのを何かの本で読んだことを覚えている。(レーニンは53歳で亡くなった。)
 
人生50年なんてむろん古い話だが(今は“人生100年”と言われるが)、それにしても昔の人は、比較的短い人生を凝縮した形で生きたのだろうか。もちろん、昔でも長生きした人は大勢いる。例えば文豪で言うと、ゲーテやトルストイは80歳を超えても生きていた。しかし、著名な人でも寿命は概して短い。短いのに、えらく老成している感じを受けるのだ。
 俳聖と言われた松尾芭蕉は50歳、西郷隆盛(南洲翁)は49歳で亡くなった。2人とも日本人には馴染み深いが、なにか“人生の師”といった印象を受ける。今どき49歳や50歳と言ったら、会社や役所の課長クラスで働き盛りではないか。
 もちろん、舞踊や生け花、茶道などの世界では、50歳ぐらいでも「師匠」と呼ばれる人はいる。しかし、一般社会では、50歳なんてまだまだこれからの年齢と言えるだろう。
 長寿社会の現代は、80~90歳を過ぎても元気の良いお年寄りが大勢いる。それはたいへん結構なことだ。自分もそのぐらいまでは生きていたいと思うが、昔の人のように“凝縮”した人生が送れるだろうか。 散漫な日々を送っている自分にはとても無理だろう。しかし、医学が進歩した今日では長生きして当たり前だ。出来れば、安楽死や尊厳死を考えない生き方をしたいものだが・・・


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8 コメント

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横浜も雪です (ブル)
2012-02-29 06:52:59
矢嶋さん、おはようございます。記事とは関係ないコメントで失礼します。横浜も未明から雪となり、うっすらと白くなっています。ラジオでは、東海道新幹線が始発から一部区間で徐行運転をするために、10分程度の遅れが出るとラジオが報じています。降雪によるスリップで歩行者の転倒や車両事故が起きないことを心から祈っています。失礼しました
なごり雪 (矢嶋武弘)
2012-02-29 08:37:34
ブルさん、こちらもけっこう降ってますね。積もっています。
春だというのにこの雪。さっきからイルカの「なごり雪」を聴いています(笑)。
なごり雪といえば (なかやん)
2012-02-29 14:37:09
こんにちは
作詞・作曲は 伊勢正三氏(元かぐや姫)です
フォークデュオ「風」伊勢氏と大久保氏の2名.
伊勢正三氏が,イルカにプレゼントしてしまった曲です

なごり雪 (矢嶋武弘)
2012-02-29 15:16:56
なかやんさん、この歌は大ヒットしましたね。今でもよく歌います。
伊勢正三さんがプレゼントした曲ですか。イルカにとっては最高ですね!
寒くなってきましたので (ヒデ★)
2013-11-07 17:48:19
お体にお気を付けください。
あまり世の中に怒ってばかりだと体に良くないですよ(笑)
我々の年金が先細る昨今、長生きしても不安です。
有難うございます。 (矢嶋武弘)
2013-11-08 06:29:05
有難うございます。
怒ってばかりではありませんが、怒らないといられないことがあります。
これも生きている証でしょう(笑)。
Unknown (おキヨ)
2020-01-29 12:17:37
そういえば一昔前の作家達は短命でしたね。自ら命を絶った人も含めて・・・。
そこへいくと画家達は長命と云えるでしょう。そして画家達は、無いことはありませんが、自ら命を絶つ人は作家に比べとても少ないと思います。
なぜなんでしょう?知りたいところです。
画家と作家 (矢嶋武弘)
2020-01-29 16:12:44
独善的に言ってしまうと、画家は自然現象や現実を受け入れ、それを描写したりしますが、作家はいろいろな想念があるので、現実や社会とよく対立したり、敵対することがありますね。
画家より作家の方が自己中心的で、いろいろな思いが強いのでしょう。自分の理想や信念を主張しやすく、このため現実と衝突して、いつの間にか追い詰められることがあります。
一概には言えませんが、画家は現実や全体を受け入れるのに対し、作家は往々にしてそれらを批判し、結果的に自分を追い込んでいく習性があるのでしょう。壁にぶち当たるのですね。
うまく言えませんが、そういう違いがあると思います。

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