ニューヨーク(CNNMoney) 動画投稿サイト「ユーチューブ」のスーザン・ウォシッキー最高経営責任者(CEO)は15日までに、陰謀論や虚偽情報を広める動画への対策 として、百科事典サイト「ウィキペディア」の記事へのリンクを合わせて表示する方針を明らかにした。

IT・映画・音楽の祭典「SXSW[サウス・バイ・サウスウエスト]」で明らかにした。これによれば、ユーチューブに投稿された陰謀論動画 には近く、「情報の手がかり」と呼ばれるテキストボックスが表示されるようになる。リンク先にはデマを暴くため、ウィキペディアや他の第三者機関の情報が組み込まれるという (つまり、「この動画はデマの疑いがあるので、“信頼性”のあるこちらの情報を参照してください」 という、ネガティブなレッテル貼りである)。

ただ、ウィキペディアを運営する ウィキメディア財団 は14日、ユーチューブの発表に関して事前の通知を受け取っていない (聞いてないよー) と説明。「ウィキペディアとウィキメディア財団はいずれも、ユーチューブと正式な提携関係を結んでいない」と述べた。

 

ユーチューブはCNNの取材に、今回の発表はウィキペディアと提携するものではなく、虚偽情報に対抗する幅広い取り組みの一環 だとしている (彼らが虚偽情報と呼ぶものは、多くの場合、“不都合な真実の暴露” である。)

ユーチューブなどのIT企業をめぐっては、サイト上での虚偽情報や陰謀論の拡散を許しているとして批判の声が(真実の隠蔽にいそしむ政府・企業・マスコミから)上がっている。最近では、米フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を生き延びた生徒、デービッド・ホッグさんに関する陰謀論を広めているとの批判を受けた。

この時は、ホッグさんは「役者」だと示唆する動画がユーチューブでトレンド上位に入っていた。こうした陰謀論は乱射事件(いわゆるテロ事件)の後に浮上する場合が多い。(そして、常にとは言わないまでも、陰謀論の側に証拠が山のようにあるケースも少なくない)悲劇的な事件はでっち上げであり、被害者は金銭を受け取って危機的な状況を演じていると主張する内容だ。