私は神戸に住んでいます。
幸いにも、阪神・淡路大震災後に越してきたため、地震を体験してはいません。
私が越してきたのは地震からほぼ2年後でしたが、近所にあったレンガ造りの教会は完全に崩れたそのままでブルーシートがかけられていました。
大きな公園には仮設住宅が並び、本来の“グラウンド”に戻るにはさらに数年かかりました。
残しているわけではなく、海辺のレンガ歩道はそのときの地動きを閉じ込めたように波うっているところもあります。
海の上にあった学校は液状化で毎年沈み続け、何年かに一度ジャッキアップが必要でした。
犬を飼い始めた時は散歩に出るとよく「いいわね、うちも震災までは飼ってたのよ」と言われることがありました。震災後に入った仮設住宅はペットが禁止で泣く泣く手放したという人や、地震後に野良化した猫や犬が増えそれを駆除するためなのか毒の入っただんごがまかれ、散歩中にそれを食べてしまい死んでしまったという人もいました。
いつもは明るく快活な友達が、地震のことになると口を閉ざし、真っ青になる姿も見ました。
火事がひどかった長田は地面が均され、茶色い砂がまかれ傍目には綺麗になりましたが、人が帰ってこず、更地が続いています。
地震そのものや直後の混乱を体験してはいませんが、街が復興していく姿はリアルタイムで見てきました。
何年も何年もかかるし、永遠に消えないものもありますが、それでも進んでいく時間と人を見ました。
父の実家は福島にあります。幸い、祖母や従兄弟たちは無事だったようですが、仙台に単身赴任していた父の弟とは未だに連絡が取れません。
私が通った仙台市内の小学校もきっと避難所になっているでしょう。
冬になると校庭に「雪虫」と言われるお尻に白い綿のようなものがついた羽虫が、本当に雪のようにふわふわと空中を漂っていた光景を思い出します。
あのとき、一緒に雪虫を見ていた子はどうしているのか……
世界中からの支援や、励ましの言葉が日本に送られ、この数日、ネットで見ながら何度ぼろ泣きしたことか……
Gagaも自身がデザインしたラバーのブレスレットを寄付金額をつけて販売してくれています。
今回、ラバーブレスの購入は海外にいるモンスターに任せて、私はそのまま地方自治体へ送金もしくは募金しようと思っています。
亡くなってしまった方の御冥福をお祈りすると共に、生きている方々は一日も早く救助され、安心できる日が訪れるように、
そして救助を行っている方々の無事を願ってやみません。