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いわゆる「従軍慰安婦」問題について-その4

高知県の場合
 
 
 高知県では「支那渡航婦女募集取締ニ関スル件」として1938(昭和13)年1月25日に報告書が作成されている(財団法人女性のためのアジア平和国民基金編 『政府調査 「従軍慰安婦」関係資料集成 1 警察庁関係公表資料 外務省関係公表資料』龍渓書舎 1997年3月20日 25-26頁)。
 
 これによれば、最近女性を集めて中国へ移送しようとしている人たちが頻繁に出没しており、これらの者はその女性たちに「醜業」をさせるために集めていること、そして、自分たちは軍と連絡のもとに行っていることをなどを言っており、そのような言葉は軍の威信を傷つけるものであるので取り締まるとして通牒を出している。
 
 その通牒には
 
「支那各地ニ於ケル治安ノ恢復ト共ニ同地ニ於ケル企業者簇出シ之ニ伴ヒ芸妓、給仕婦等ノ進出亦夥シク中ニハ軍当局ト連絡アルガノ如キ言辞ヲ弄シ之等渡航婦女子ノ募集ヲ為スモノ等漸増ノ傾向ニ有之候軍ノ威信ニ関スル言辞ヲ弄スル募集者ニ就テハ絶対之ヲ禁止シ又醜業ニ従事スルノ目的ヲ以テ渡航セントスルモノニ対シテハ身分証明書ヲ発給セザルコトニ取扱相成度」(前掲26頁)
 
として、取締り方針を明確にし、渡航に関する身分証明書発行の禁止を定めた。
 
 高知県ではかなり強い態度で取締りを行っていることがわかる。
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