山奥の鍛冶工房日記

趣味でやっているあれこれ

初打ちしたものは

2014-01-06 15:44:24 | 日記

 2014年初打ちで昔の鉄の金槌を再度火造りした、と日記に書いたところだが、件のブツを灰箱から取り出してびっくり。

 激しく火ぶくれしたような酸化膜。そしてその間から見える肉色の地肌。

 金槌はどうも銅製もしくは銅合金製だったようだ。コークスの焔が青く出たのもそうだったか、とも思える。

 詳しくは後日激しく火ぶくれしたような酸化被膜を落としてみないことにはわからないが。

 銅製または銅合金だったとしたら、今後の鍛冶作業に影響が出るかもしれない。

 というのは、銅が鉄に混ざるとあまりよろしくないということを聞いているからだ。

 詳しく言えば、銅が鉄に混ざると球状黒鉛化が進むとか。

 要するに鉄、鋼の品質が低下するということらしい。

そういえば、ちょくちょく出入りしていた刀剣博物館でも、銅の混入はすこぶる嫌われていたな。

新年早々やっちまった感が強い。せめて磁石で確かめりゃよかった。

でも、よく焼き溶かすこともなくできたよな。強い火力のコークスで。

 


2014年初打ち

2014-01-06 13:54:14 | 日記

2014年初打ち画像

 

新年を迎え、今年初めての鍛冶作業を実施。

 採火はファイヤーピストンで行い、炭布に小さな火種を落として消し炭をかけて送風機を作動させて火を起こした。

 コークスへの着火もよく、昨年に床下から発見した昔の金槌を再度火造りすることにしたのだが、この金槌は子供の頃に目にしたもののいつの間にか行方をくらましていた。曾爺さんがどこかで入手したらしいものと思われるので、製品自体に使われている鉄は戦前のものかもしれない。

 実際に加熱していると、コークスから青い焔が出てビビった。一酸化炭素が燃えるあの紫っぽい薄い色の焔じゃなくてほんとに青だった。

 銅の化合物かほかの元素がコークスに混ざっていたのかは不明。

 赤くなったのを引き出して打ち鍛えてみるとすこぶる怪しい。可塑性が怪しい。なんだかちょっとひび割れた鏡モチみたく、細かいヒビ割れが入った。

 とりあえず、全体を打ち鍛えずに打面だけを整形火造りして、全体を900℃に赤めて灰箱の灰の中に埋めて徐冷をかけて終了。1時間にも満たない初打ちの作業となった。