いつかの風景
信号待ちで車窓から見えた放課後の校庭
懸命にボールを追いかける子供たち
一目散に走ってくる子供の中に息子がいた
ゴール前でパスを受けシュート
ポーンと跳ね上がったボールが、夕暮れの闇へと吸い込まれていく
体が凍りついた
その場に居てあげられなかったということではなく
愛情をそそいであげることができなかったということでもなく
平然とその風景を眺めている男に
なんの感情もわいてこない自分に対して動揺した
助手席の女性の顔はぼやけている
いつかの風景
夢中でボールを追いかける少年がいる
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