YOU扮する母親(恋多き女なんだけど要領が悪いんだろうな)が
それぞれ父親の違う4人のこども(長男、長女、次男、次女の順番)を
抱え奮闘するストーリー・・・ではなく。
なんと引っ越したばかりのマンションからこどもを捨てて(本人は捨てているつもりはないらしい)
新しい男のもとへはしってしまう。
なんと長男(12歳)長女(?)は(下の二人は未就学児)義務教育を受けていない。
引っ越してきた時も、大家さんに挨拶に行くが長男のみの紹介。
後の3人は存在しないことになっている)下の二人は旅行かばんの中に隠れている。
長女は駅前で待っていた。
引っ越した日の夜、母親が生活する上でのルールを決める。
長男は買物など外出していいが、残りの3人は、外出厳禁。ベランダにも出てはいけない。
静かにしていること。長女は洗濯の時だけベランダOK。
これを母親が失踪してもかたくなに守るだが半年を過ぎる頃には秩序が崩れていく・・・。
カンヌ映画祭で長男役の柳楽優弥君が
最優秀男優賞を史上最年少で受賞したのが話題になりましたね。
が、観ない部類の映画だと思っていました。
実際に起きた「子ども置き去り事件」をモチーフとの事。
そういえばそんな事件があったなぁと。
ということは(勝手に)にお涙頂戴系ストーリーかなぁくらいでしたから。
たまたま借りてきたビデオに作品紹介がありまして、
そそられるものがあったのでちょっと見てみようかなと。
ぜんぜん(私の先入観と)違いましたね。
最後まで誰も泣かないの。
観ている私も泣きませんでした。
そういう映画じゃなかった。
絶望的な環境の中で、けなげにがんばっている。
日常に埋没しているとわからないけど切羽詰っていたり、
何かに必死になっている時って、
良い悪いは別として、(はたからみると)
『生きてる』って感じがするのかも。
4人とも息 をしている。
鼓動が伝わってきた。
孤軍奮闘の長男。
自分の父親は知らなくても妹たちの親は知っているわけで、
一人一人尋ねてはお金を無心したり。
母の連絡先を知っていても頼ることができず、
『帰ってきて』とも『助けて』とも言うことができない。
母親の言った『私は幸せになっちゃいけないの?』
という言葉が引っかかっているのかな。
幸せをつかみそうな母親の足を引っ張りたくない。みたいな。
ただただ懸命に兄弟を守ろうとする。
長女は現実逃避、押入れにひきこもり。
次男の能天気に明るい。町中で友達と遊んだり自販機のコイン探ししたり。
与えられた環境に一番順応しているかも。
アポロチョコが大好きな次女。嬉しそうに食べるんだ。
自分の誕生日(信じてるんだ)に母親が帰ってこなくても、
クリスマス、正月に帰ってこなくても泣かないんだ。
アポロチョコ。最後の一個食べちゃっても・・・切ない。
ここにイジメにあっている女子高生(か中学生)が絡んでくる。
お金を工面するのに初めての援交するのだけど、
カラオケからオヤジと出てきた時の微妙な歩き方がリアル。
子どもがいても、いなくても必見。
母親の描写は出ていくまでなので、その先の心理描写も考えてしまう。
「ヤグゥィラ ユゥヤァ」と言ってたのが
とても印象に残ってしまってます。
ケーブルテレビで放送するから、
「見よう!」と思っていたけど、案の定見逃し。
今度、借りてみます。
家の近所のレンタルビデオ屋さん、
月曜:レディースデー
水曜:サービスデー
で、「ビデオ」と「CD」は200円なのです。
とうぜん、DVDも200円と思いきや、通常料金。。
して、やられました。
あと、子どもで泣かす映画も大嫌い。
販促ですもんね。子ども使ったら絶対泣いちゃうもん。
ですから、あきらかに泣かすのが目的の感動映画はきらいなんです。
そんなのが氾濫しているので子どもが主役というだけで敬遠してしまったのですが、久々に良い映画に出会えました。
うちは、一軒が火曜ビデオとDVD半額。
水曜CD半額。
もう一軒が火曜、木曜ビデオ、DVD半額。
おいてある種類も少し違うのでうまく2軒を使っています。
(絶対半額の時しか借りませんハハハ・・・)
どっちで借りたのかわからなくなることも。