『デッド・ゾーン』後に起きた物語として書かれています。
舞台は同じく架空の町キャッスルロック。
浮気をした妻が、
相手の男に夫宛の手紙で仕返しをされ、
傷心の夫の出張中に
数日前から調子の悪かった車の修理に行った
町外れの修理屋の庭先で
狂犬病のセントバーナードに襲われ
とうとう動かなくなった車の中に
記録的な猛暑のピークに
4歳の息子と2日間閉じ込められたお話し。
いくつも重なる悪運。
キングの小説なのにめずらしく超常現象的なものは
さわり程度しかでてきません。
それでもキングらしい作品です。
本は手元にあったのですが、
内容が(えらい昔に映画化になってその宣伝を見てしまった)
あまりそそらなかったので先延ばしになっていました。
しかし読んでみるとやっぱりキングですね。
読み出したら止まりませんでした。
今回読んだ作品には、上記の通り、
ヒュードロドロ系や吸血鬼等、
超常現象的なものや実在しないものは出てきません。
それで私がなぜキングのホラー作品に惹きつけられるのかが
わかりました。
(『スタンド・バイミー』等ホラー以外も含めて)
やはりキングの作品は、より現実的な世界を描いているのですね。
人間の感情の描写もそうだし、小説等フィクションにありがちな
希望的観測というかエンディングは終わりはこうあって欲しい・・・とういう
ような読み進めていくうちに登場人物によせる想いを
全くあざ笑うかのような不条理な結果(結末)を用意している所でしょうか。
そこら辺が胡散臭くなく、よりリアルな世の中を描いているような気がします。
努力、希望、人間性等々様々な要素が必ずしも
その結果(または人生の結末として)と関連性(結果に対して反映するとは)
があるとは限らない。これは現実。
結果は変えられない。
良い、悪いではなく受け入れざるお得ないもの。
現実ってそういうものですよね。
最近の悪いニュースにもかんじる部分ではありますが。
(なぜこの子が・・・)
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