私は、
とあるショーを客人として見に行った。
普段、自分が出演するときは、
開演まで舞台裏でソワソワ落ち着かない
ことが多い。今回は、久々に客人とて
落ち着いて観覧できた。
その帰り、ダンサーのたまご達に
呼び止められた。
「KTさん!今度のショー、見に行かせて
もらっていいですか?」
と口々に言ってくれたのだ。
普段、定期的に受けるレッスン代や
習っている先生の応援でもお金が
かかっているに違いない。
ベリーダンスはお金がかかる。
そんな背景は容易に想像できるので、
私は、いやぁ〜悪い悪いと言う気持ちを
込めながら、彼女達にこう言った。
「今日のショー観覧やイベント参加で
お金が嵩んでいるでしょう?私なんかの
ために、ご足労とお金使わせるなんて
申し訳ないです」
すると、やんややんやと口々に、
「私達、KTさんだからお金払ってでも
見に行きたいんです」
「私、初めてKTさんのダンス見たときから
めっちゃ好きでした!演目も覚えてます!」
「私も大好き!見に行きたいから行かせて
ください」
「自分の先生も好きですが、KTさんの
ダンスは元気が出ます!!」
…うぅ、泣ける。
あなた達、
大映ドラマのクラスメイトかよー!
いや、ほんとに泣いたよ、私。
まさか、客人として見に行った
ショーの帰りに、そんなドラマが
待っていたなんて。
こちらから声を掛けるでもなく、
彼女達自らの意志で「行きたい」
と言ってきてくれるこの嬉しさったら…。
生きてて良かったと思えた瞬間の
ひとコマになった。
彼女達が応援に来てくれる、
それだけでも練習の励みになる。
ありがとう、本当に。
当日、私の持ち得る力の限り
踊らせてもらうからね!