みすぼらしい人がいてる。
一言で言って、貧乏クサイ。
決して貧乏ではないのに、
何をしても何を着ても、
100%惜しみなくビンボ臭い。
(もはや、ただの貧乏じゃないか)
私の友人に、嗅覚が優れている人が2人いる。
彼らは、顔を合わせるたび、
そのビンボ臭い人が放つ匂いが
臭くて辛抱ならんと言う。
私は、彼らほど抜きん出た嗅覚はないので、
「あー、わかるわかる!」とは言えない。
どんな匂いなのかと彼らに尋ねると、
顔を見合わせ、加齢臭でもあり汗でもあり
体臭でもあると言う。と、表現しつつも、
二人とも“何かしっくり来ない”と言うかの
ような面持ちをしていた。
彼らの一人が、そうだ!
と思いついたように、こう言った。
『キャンプ場のゴミ置き場みたいな匂い』
いやナンボ何でも、今日び、
浮浪者ですらそんな匂いせんやろ…。
ましてや、風貌がビンボ臭いだけの
その人から、あんな“すえた匂い”
してきたことないで。
…ところがどっこい。
いつやらかの講義で、私の席が
ビンボ臭い人の隣になった。
30分ほど経過した頃だろうか、
近くから異臭がしてきたのだ。
“んん?何か気分が悪くなってきたぞ。
昔、どっかで嗅いだことがある。
何だろ何だろ、思い出せない。
思い出せないけど、記憶にある。
でも、決していいモノではない”
などと心の中で呟いていた。
そうこうする内、
やがてその匂いは消えた。
また程なくして、同じ匂いがしてきた。
その匂いは、お知らせかのように
定期的に漂ってきては消え…を
何度か繰り返した。
だんだん匂いに勢いが増し、
とうとう私は息を止めるまでになった。
この匂い…
どう表現すれば伝わるだろう。
バキュームカーでもない…
ボットン便所でもない…
ゲロリンQでもない…
…ハッ!
そうか!
この匂い!!
これが彼らの言う辛抱ならん匂いか!!
キャンプ場のゴミ置き場の匂いと、
隣にいるビンボ臭い人の匂いが、
瞬殺でイコールになった。
うぅ…。こりゃキツイ。
生身の人間が、どうすればそんな
すえた匂いが放てるのだ??
半分死んでいるのか、この人は。
生きながらにして、死臭を放って
いると言うのか??
私は、この話を例の彼らにすると、
異国で同胞を見つけたかのように、
せやろせやろと語りだした。
いやー、あかんよ。ほんと。
ビンボ臭いだけでなく、
ほんまに臭いなんて。
そんなん、シャレにならんで。
貧乏でも貧乏でなくても、ひとまず
清潔感を確保し、体臭は最小限に抑えないと。
自分で体臭を感じなくても、誰しも
体臭はあるものと考え、日頃から
体臭抑制効果のあるもの食べるとか
対策しておかないと。
年を取ると、若い子と違って
洗いざらしのシャツを着ても
オシャレに見えんからな。
ただ単に、汚らしく見える。
Tシャツの場合、首元がヨレたら
ビンボ臭さが一気に爆上がりなので
身だしなみは気をつけよう!
そうだ、ビンボ臭いのと不潔感って
イコールかもしれない。
清潔感は、いつまでも保ちたいものだ。
不潔だと、それだけで人が離れていく。
ではでは、またね!