男性は、この暑い時期に黒の冬物スウエット上下を纏い、某衣料品店の袋を抱えていた。
顎マスクで髭と髪は伸び放題。40代くらいかと思われる風貌。
男性は警官の職質に、苛立ちを抑えきれず怒鳴りちらしながら、持っていた袋を路上に叩きつけていた。
巡回中のパトロールでは、怪しげな人をチョイスする。それは犯罪を未然に防ぐ効果が高いと評価できるが、時に無防備に人を傷つける。
何もしていないのに疑われたトラウマ。
知人の息子さん、今はニ児の父となったが、大学を出てある時期ニートだった頃、図書館から出てきたところを警官に呼び止められたと。
荷物や身分証を提示させられ、聞かれたくもないプライバシーをあらわにされた。
その怒りを自宅に帰り母である知人にぶちまけたと。
そりゃ、腹立つよね。
昨日の男性。身なりから地域のグループホームで暮らす担当患者さんに似ていてどきりとした。
その患者さんは時々、話をしたいと私を訪ねてくる。先週の土曜日も真昼に暑苦しいスウェット姿。
ねえ、今はめちゃくちゃ暑いから、もっと涼しい格好しようよ。それに昼中この格好で歩き回ると熱中症が心配だよと諭すが、
大丈夫だからと。
昨日の人には気の毒だけど、患者さんでなくて良かったと少し胸を撫で下ろし、帰路につきました。
写真の花は、子どもの頃、少し唾をつけて鼻に貼ると天狗のようで、「鼻【花】天狗」なんて呼んでいた覚えがあります。
天狗になった気分で面白がりました。
懐かしいな。