
第6回 認定SPトランプ アドバンス・ファシリテータ―養成講座(対面)
SPの集合体がパーソナリティ(システム)、人の集合体が家族、学級、職場の集団(システム)である。これらシステがムが健全であるために
は無自覚な内在する循環サイクルが働いている。そして循環サイクルが滞り、機能しなくなるとシステムは持続が困難になる。
これら2つの集合体に対するシステムアプローチの方法を知ることによってパーソナリティは自己実現を目指した心の安定、集団システムの場合
はそれぞれの集団の目的達成が可能になる。今回の講座ではパーソナリティシステムへのアプローチであるSPTメソッド、集団システムへのアプ
ローチとしてチーム造形法を体得します。
日程
2月22日(土)23日(日)
3月8日(土)9日(日)
4日間 0930~1700
2月23日はチーム造形法のためオープン参加あり。1日だけの体験参加可能です。
会場 神戸市のじぎく会館(兵庫県庁県庁北側徒歩5分) 2月22日(土)・3月8日(土)・3月9日(日)
ひょうご共済会館 (同上) 2月23日(日)
交通 市営地下鉄「県庁前」徒歩5分、JR・阪神「元町駅」徒歩8分
内容 1.SPトランプによるシステムアプローチ
・次世代のセルフ・エンパワーメント
目的 自己実現力を高める
方法 パーソナリティシステムに内在する8つの循環サイクルを知る。ボトルネックの強化方法を知る。
2.チーム・エンパワーメント
・家族、学級、職場等チームのエンパワーメント
方法 チーム造形法によるチーム(家族・学級・職場)内における人間関係や個人の心理的問題の解決を図る
会費 165,000円(税込み) 分割も可能です。
2月23日のチーム造形法のオープン参加のみの場合 11,000円(税込み)
お問合せお申込みは ecl@yao-ec.co.jp
次世代のセルフ・エンパワーメント(内在する8つの循環サイクル)
循環サイクル事例1 3つのSPの循環
日本人のサブパーソナリティ(SP)の特徴を循環的な視点から検証すると、多くの日々の行動が「心配屋さん」というSPを起点としていることが明らかである。この背景には、脳内物質であるセロトニントランスポーターS型遺伝子、いわゆる「不安気質遺伝子」の保有率が世界で最も高いという事実が関係している。
この「心配屋さん」の存在が、「まわりを気にするキョロキョロさん」「まじめさん」「慎重さん」といったドライバー(推進・前進)役のSPを形成する。このドライバー役のSPは、「心配屋さん」の不安を克服し、あるいはその影響を心の奥底に押しやる役割を担っている。しかし、「まじめさん」のようなドライバー役のSPを継続的に行動化し続けると、その真面目さが過剰となり、自我の機能が徐々に消耗していく。
このような場合には、「面倒くさがり屋」「アバウトさん」「気分屋」といったリバース(後進・健康的退行)役のSPを行動化することで、自我の機能を休める必要がある。これは、自我の「心の安定」を保つための極めて重要な働きである。しかしながら、リバース役のSPを過剰に行動化し続けると、再び「心配屋さん」が現れ、不安が増幅する。このように、SPは相互に円環的因果関係があり、循環的に入れ替わりながら個人の心のバランスを保っている。
一方、「面倒くさがり屋」「アバウトさん」「気分屋」といったリバース役のSPを過度に抑圧あるいは抑制すると、この循環サイクルの一部が機能しなくなり、パーソナリティシステムの健全性が損なわれる恐れがある。特に、メンタルダウンに陥る人々はリバース役のSPを超自我(「~してはならない」という内的制約)の働きで抑圧・抑制している場合が多い。
データによれば、「面倒くさがり屋」を抑制している人は1064名中216人、「アバウトさん」を抑制している人は85人、「気分屋」を抑制している人は108人という結果が出ている。これらの人々は、自他ともに高い評価を得る傾向がある。しかし、心の健全性を長期的に維持するという観点から見ると、リバース役のSPを適切に受容し、その役割を果たさせることが極めて重要である。
出典「コロナ禍での日本人の国民性を浮き彫りにし考察する」KSC国際交流・協力コース26期
論文 板倉宗衛 岡田光雄 小原元司 八尾芳樹
八尾芳樹「ビジネスパーソン52の人格」セルバ出版
循環サイクル事例2 現実検討の循環(適応的思考)
日常の生活や仕事場面でご活用いただける内容です。日常のちょっとした出来事、 緊張したこと、心配したこと、不安に思ったこと、イライラ したことなどの困難にどのように対応するかのプログラム内容です。
今日まで各SPのマーク特性に連鎖(包含)する欲求、感情、(自動)思考、信念・価値などのデータを蓄積してきました。新しいプログラムは、これら心理的要素を認知行動療法や新世代認知行動療法をモチーフとし、これらの関係(連)性を再構築したものです。形が鍵に似ているところから”キーモデル”と称しています。
SPTメソッドを活用した認知行動療法です。治療ではなく日常のビジネスや生活での困難な出来事への対応が目的です。SPTメソッドを活用することによって生きがい働きがいそして心の疲れの要因にもなっている中核的信念(信念・価値・人生観)を認識することが容易になりました。
*この中核的信念はスキーマともよばれ自覚しにくいものであるといわれています。
SPTメソッドを活用した次世代向けのセルフ・エンパワーメントプログラムです。このメソッドを指導できることを目的としたセミナーです。
〔日常の生活や仕事でのストレス時(出来事)への対応モデル〕
〔SPTメソッド 日常生活や仕事時の意識的な進め方〕
出来事 ストレス・葛藤体験
最近のちょっとした出来事、緊張したこと、心配したこと、不安に思ったこと、イライラ(苛立ち)したこと・・ 5W2Hで具体的に
①自動思考を知る
・反射的に出てきた考え思い浮かんだ考え(複数あり)
*自動思考の根底にある認知の傾向を知る
ストレス時のバックアップと対人・対課題・心が疲れる認知バイアスを知る
【ストレス時のバックアップは下記理論背景参照】
②感情(気持ちや気分)を知る
・現在起こっている感情を知る。(複数あり)
・感情のエネルギーのステージを知る
【感情のエネルギーのステージは下記理論背景参照】
・一番±数字の高いエネルギーの感情に注目
・感情のエネルギーのステージの変化にも注目(例 -4の無気力から-2の怒り)
・身体に反応している感情を知る
・特に大きな感情のエネルギーとセットになっているメインの自動思考を知る
・感情が持続し消失しない場合は誰かに聴いてもらう。(特に感情エネルギーステージ∓3以
上)
③欲求(生理的・心理的欲求)
・自動思考、感情の根底にある欲求を知る。(複数あり)
【心理的欲求は下記理論背景参照】
・非合理な信念(全てに、いつも、将来も、相手への強要)に縛られていないか確認する。
合理的な信念のもとの欲求は強みになるが、非合理な信念のもとの欲求は強欲になり思考や行動の偏りにつながる
【合理的信念と非合理的な信念は下記理論背景参照】
④現実検討(立ち位置の認識、そして自動思考の根拠と反証)
・自分の立ち位置を認識し、
上記のメインの自動思考の根拠(誰が見ても客観的に事実であることが根拠)と反
証(自動思考と相反する客観的な事実、自動思考が間違っている、大げさすぎる根拠)を考察
する。この作業は主体(自我)、理性の強化に繋がる。
【現実検討は自我の一番重要な働きになる。下記理論背景参照】
・現実検討、自動思考の根拠や反論の客観的な事実の考察にいたらないときは自動思考や感
情を心許せる人に聴いてもらうか、どのような客観的事実があるかの参考意見を聞く
⑤適応的思考(現状に合った合理的な欲求)
・自分を縛り付けている欲求(非合理な欲求)の見直しと、現実的(いま、ここ)な欲求充足の
ための思考に意識的にスイッチする(切り替える)。
・主体性とはこの適応的思考に基づいた行動を選択しその結果を甘んじて受け入れることであ
る。
〔実際事例1〕ワーキングSP ♦
出来事 ストレス・葛藤体験
先輩上司から、わからないことがあれば質問するようにいわれる。しかし質問すると相手の迷惑になるのではないかと思い質問ができずにいる。そして時間がたつとより聞きそびれたりして悩んでしまう。
①自動思考を知る
・本当に質問していいのだろうか?
・こんなことがわからないかと相手に思われるのではないか
・相手の時間をとってしまい迷惑をかけるのでは
・ストレス時の思考パターン(バックアップスタイル)
盲従
②感情(気持ちや気分)を知る
・緊張(-2)
・心配(-2)
( )内 感情のエネルギーのステージ
特にネガティブな感情とセットになっているのは相手に迷惑をかけることである
③欲求(生理的・心理的欲求)
・嫌われたくない(相手に受容されるより非受容されることが心配であり恐怖)
②段階の感情を認識する段階では気づかなかったが、嫌われることの恐怖(-3)が
ある
・人に迷惑をかけたくない
・非合理な信念(全てに、いつも、将来も、相手への強要)に縛られていないか確認する。
「いつも」嫌われることの恐怖心が、わからないのにわかったふりをしたり、わかったことに
してしまっていたのではないかと思う
④現実検討(立ち位置の認識、そして自動思考の根拠と反証)
・自分の立ち位置の認識
仕事を一人で遂行しなければならない立場になっている
1)自動思考の根拠(誰が見ても客観的に事実であることが根拠)
・以前質問した時にいやな顔をされた(これは自分の思い込み〈認知バイアス〉かもしれな
い)
・相手の時間を以前15分くらいとってしまった
2)自動思考の反証(自動思考と相反する客観的な事実、自動思考が間違っている、大げさす
ぎる根拠)を考察
・わかったふりして後で悩むより、今思い切って聞く方が私にとってストレスが少なくなり
仕事の生産性も上がる
・相手に仮に迷惑がかかったとしても私のような人間に仕事を教えるのが相手の職務でもあ
る
⑤適応的思考(現状に合った合理的な欲求)
・職場としても仕事の成果を上げることが大切なので「嫌われたくない」欲求から「仕事の生
産を上げる」欲求にスイッチして不明な点を質問しよう。
・主体性行動
もし相手に嫌な顔をされ嫌われても「仕事の生産性を高める」欲求を選択し不明な点が明確
になる質問ができたので、甘んじて受け入れよう。そして不快感情が消失しなときは誰かに
聴いてもらおう。
〔プログラムの活用方法〕
下記のプログラムに活用できます。
1.日常生活や仕事でストレスが発生したときの対応ーセルフカウンセリング
2.セルフ・エンパワーメント(意欲と能力を引き出す)
3.主体性発揮(選択と責任の受容)の思考プロセス
4.他者へのカウンセリング
5.エンパワーメント・カウンセリング&コーチング
6.メンタルタフネス、メンタルヘルス
7.レジリエンス(精神回復力)を高める
8.ネガティブ感情(不安、怒り)のマネジメント
9.主体(自我)機能を高める
10.SPトランプを活用した研修のフォローアップ
11, コミュニケーション、コーチング、リダーシップなどヒューマンスキルの
スキルに対してパーソナル問題の解決
なお”キーモデル”を活用した上記のプログラム提供はSPTメソッドを熟知したエンパワーメントカウンセラーのみが担当させていただいています。
理論背景
SPTメソッド 心の縦断面図(イメージ)
SPTメソッドは心を知覚したりマネジメントする側の主体的側面と知覚、マネジメントされる側の客体的側面の二つの側面からアプローチすることによって、個の確立を図ることを目的としています。
人間(個)の身体や心の中を客観視(俯瞰)する意識の中心であるセルフ、そしてマネジメントする意志や自我の働きが主体的側面になります。そして心の中のSP(サブ・パーソナリティ)、欲求、感情、自動思考等が客体的側面になります。そして主体である自我に縛りをかけているのが上位自我の信念、価値になります。
〔主体的側面〕
自我の働き
自我心理学のベラックは心をマネジメントする自我の働きには12あると提唱しています。その中で日常の生活や仕事で意識的にもマネジメント可能な働きを取り出したのが次の7つになります。そしてこれらは相互に機能しています。この中で一番重要なのが「現実検討」であり、次は「統合機能」とベラックは言っています。自我が強いというのは我が強いというのではなく
心理的なSPや欲求、感情、自動思考等の各要素から距離をとることができたり、他者や集団にいつも依存するのではなく心理的距離をとることができる強さのことを指しています。
また上位自我からの信念や価値と違ったSPを行動化したり、異なった欲求を充足することを自ら許すことができることを意味しています。
「現実検討」とは自分の置かれた状況(立ち位置)を認識して、あるべき方向性を見つけていく機能。内面に生じていることと外界に存在していることの区別、主観と事実の区別、自己本位的な考え方(自分の認知傾向や思考の偏りであるバイアス)から距離がとれることである。
〔客体的側面〕
SPと連鎖(包含)する心理的要素
SPの根底には欲求、欲求を満たすための反射的な思考(自動思考)、欲求が満たされると生じる快(ポジティブ)の感情、そして脅かされたり妨げられると生じる不快(ネガティブ)感情、
SPや欲求等に縛りをいれている信念・価値の関係を表しています。
*ここの思考(自動思考)は非意志的な思考で、意志的な思考は主体的側面の自我の働きになります。
*本来思考(自動思考)と感情はセットになっていて切り離すことは困難だが、ここでは便宜的に切り離してアプローチしています。
循環サイクル事例3 感情の循環
感情は平常はニュートラル(中立)であるが、欲求が満たされたり期待があるとポジティブな感情、脅かされたり妨げられるとネガティブな感情が生じる。しかし感情は時間とともにニュートラルに戻る。
感情のエネルギーのステージ
*海外の2つの研究をベースに感情の持続時間と身体的反応を感情のエネルギーのステージとしてまとめた。あわせて2つの研究に出てこない日本人の感情を右欄に付け加えた。
*個人によって感情の持続時間と身体的反応の差は当然違ってくる。
循環サイクル事例4 防衛反応(バックアップ)
ストレス時の自動思考のパターン(バックアップスタイル) 感情と同様通常はニュートラルで(平静)であるがストレスが
生じるとこれら4つを循環し、やがれニュートラルに戻る。
他にも5つの循環サイクルがある。順次アップ予定。
お問い合わせ・お申込みは ecl@yao-ec.co.jp まで
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