「正比例」の数学 線形代数学の基礎理論案内 瀬山士郎著
工学部や理学部とはず,線形代数(行列)を使う学問や仕事は多いと思う.
とはいえ,大体は計算技法の習得と実際の計算が主になっていき,理論をしっかり学ぶのは理学部くらいかもしれない.
線形代数とは代数(方程式の解を求める方法)や幾何(複数のベクトル)という2面性がある.
この本は線形代数を代数のほうからアプローチをしていく.
具体的には,小学生,中学生で学ぶ正比例や1次方程式を拡張していき,それが線形変換であることをいう.
この本の1番の特徴は比例関数から少しずつ拡張してゆき線形性の意味を理解するというストーリーがありなおかつ丁寧な導入と,丁寧な証明,解説があるのでメインの教科書には少し内容が少ないかもしれないが,複読本としては読みやすく内容に迷子にならずに読み切れるであろう.
ジョルダンの標準形まで扱っているので学部1年生程度の線形代数はある程度網羅されていると思う.
簡易目次
第1章 方程式ax=bと正比例y=axを見直す
第2章 行列:数の表
第3章 行列式:特殊な多項式
第4章 n次元1次方程式を解く
第5章 正比例関数を見直す
第6章 n次元正比例関数と比例定数
第7章 半単純正比例関数
第8章 固有値,固有ベクトルと固有方程式
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