オシャレになりたい。
博識になりたい。
恵之助は、ファッション誌を購読し、
代官山、渋谷から明治通り、原宿、表参道、などを
何度も何度も歩き、オシャレを磨こうと一生懸命でした。
レンタルビデオ屋さんで
知っていたらかっこよさそうな映画を借りて
見まくった。
「映画名作100」なんていう本も買って読み、
ウンチクを頭に詰め込んだ。
それでもコウには敵わない。
恵之助は、頑張れば頑張るほど、
自分がとても
薄っぺらで
ちっぽけに思えてくるのでした。
そんな方向に頑張っていたある日のこと・・・
ふと立ち寄った洋服のお店の店員さんに、
「すごく頑張っているのはわかるんですけどねぇ〜」
と言われた恵之助は、顔から火が出るとはこのことか!
というほどに恥ずかしい思いをした。
「どちらが先に彼女ができるか」
と競い合っていたマツには彼女ができ、
恵之助は自信をどんどん失っていくのでした・・・・
つづく。