奴隷から、売りに出されて乞食になったソービー。
買主は主人ではなく「とうちゃん」と呼ばせ、乞食をしながら彼に教育を施す。
とうちゃんこと宇宙軍X部隊バスリム大佐の手筈で、自由商人の宇宙船シス号で
宇宙の旅に出るソービー。
シス号でも高い教育によって能力を高め、やがて宇宙軍に入隊する。
身元が判明し、地球「テラ」へ帰還。
自分が大財閥の当主を継ぐ立場であることを知るが、確執に翻弄される。
自分の財閥が、奴隷売買に関与していると確信。
撲滅を決意し新たな旅への誓いをたてるソービー。
1950年代に書かれたSFであるが、人間の築く文明社会の理想的秩序を
模索しつつ、必ず蔓延する明と暗を、今の時代では倫理的に表現できない
言葉でリアルに描いていると感じた。
地球へ帰還するまでは面白かったが、その後は分かりづらかった。
古いためか、訳に違和感を感じた。
村上春樹さんが訳してくれたら面白いかも。