3997.~思いやる~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「小さいりんごに、思いを寄せる」(2月8日)
おはようございます。朗豊ゼミナールの井上です。
社会人のK君とは、オンライン授業をしています。
K君にとっては仕事が終わった後の授業になりますが、そこには疲れた表情を少しも見せずに頑張る姿があります。
と同時に、「先生、体調はいかがですか」など、こちらを思いやる言葉も彼の中からは出てきます。
かつてのこわばった表情は無く、むしろやわらかい空気が漂い、講師はいつも元気をもらっています。
さて、先日K君と数学のおさらいを進めていた時のことです。
そこには、大小のりんごの挿絵が描かれていました。
講師が何気なく、「どっちが重いのだろう」と尋ねてみると、
なんとK君は「小さいほうが重い」というのです。
「なぜ?」と聞いてみると、
「おそらく人は、この小さいりんごに思いを寄せるからだよ。
重たいくらいの思いがあるのは小さいりんごの方だと思う」と答えたのです。
その発想に驚きましたが、しみじみとなんて純粋な発想ができるのだろうと、その表現に心打たれた気持ちになりました。
K君の優しさは、社会を幸せにしそうです。
◇ワンポイント・メッセージ
K君の発想、感性、…感じ入るものがありますね。どちらかというとパターン化した傾向のあったK君ですが、心の動き、気持ちの流れというような柔軟性が感じられます。就職されて3年、コロナ禍での休業等さまざまなことを経て、K君に少しずつ変化が生まれてきているようです。“思いを寄せる”、しかも小さなりんごに、K君自身の言葉ですがまさに自己から他者への気持ちの流れ、これこそ、コミュニケ―ションの原点ですね。職業学科の受検前の面接練習の時に「将来僕は落語家になりたいと思います」と言っていたことが、今ふと思い出されました。この傾向は、K君の本質として元よりあったのかもしれません。