「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳
*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー

行き詰まったときには「逆」を考える、これはひとつ思考の仕方の原点です。自ずと、思考に柔軟性が生まれます。
学習指導での問題解決という視点で考えてみましょう。
・学習への不安が強い時期に自立を求める指導が優先する
←→実は傍らにいてあげて、やさしく安心できる指導が必要
・一人で考えるように指導する、「もっと考えて!」「ちゃんと考えて!」
←→実は言葉がけをして回答へと導いてあげる指導が必要
・全科目を平均的に解らせようとするする
←→実は1科目で何か成果を出させてあげる指導が必要
・指導者がどうしても教科書から離れられず、将来必要でないことを形ばかり指導している
←→実は教科書の内容を吟味、選択して指導することが必要
・学習中は注意を散らさないで30分、1時間と集中することを求める
←→実は障害のもつ器質的要素を理解し、本人の集中できる時間を計ってそこから集中時間を伸ばし、深める指導が必要
・姿勢が崩れたりだらけていると、「がんばれ!」とはっぱをかける
←→実は姿勢の保持困難や睡眠異常、その日暑かったり、泳いできたりなどで本当に疲れている場合もある。その時はプログラムを検討する。
・「早くやりなさい!」←→実はゆっくり進める指導が必要
・「この子にこんなことできますか!」力があるのにできることだけをやらせている
←→子どもの持つ力は一様ではなく、興味のあることや好きな教科の理解力や学習意欲は思いがけないほど大きい
・できるのに教科学習を全く無視している←→実は子どもの学習への欲求度は高い。興味に応え、知的好奇心を刺激するような指導が必要。理科も社会も。
次のように、良い悪いでは判断しきれない「逆」もあります。
・経験的に、過去に指導した生徒さんと重ねてしまう
←→経験があるにもかかわらず、これまで指導した生徒さんと重ねられない
・いつも同じことだけをする(飽きる)
←→いつも違うことをしている(変化に対応できない・習熟しない)
一見「熱心」というベールに隠れて、実は「逆」を行ってしまっている状況もあれば、状況に応じた判断の求められる「逆」もあります。名人と言われる人たちは思考が柔軟で、子供を中心にしてその時々の状況に最も合う形を選ぶことができる人たちです。私が師として尊敬している人から「目の前の子どもがテキストです」と教えられたことがあります。目の前の子どもが発している事柄を感性と分析力をもってキャッチしていかなくてはなりません。
それに少し行き詰まった時には「逆」を考えて見ましょう。子どもから発信がストンと読み取れるかもしれません。「逆」というのは意外な近道なのです。
info@zoukei-rythmique.jp 造形リトミック教育研究所