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発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

19.指導のポイント(2)

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

知的障害・発達障害 個性と可能性を伸ばす

* 楽しいからのパートナー
* 新しく知るからのパートナー
* ちょっと簡単からのパートナー  

19.指導のポイント(2)


「大きくとらえる? 細かくとらえる?」

 このことも、大切な見方の一つです

・物事を大きくとらえる
・物事を小さくとらえる
・鳥瞰図
・虫瞰図
・今をみる
・これまでをみる
・目先をみる
・生涯をみる(これから先)
・就学期間を考える
・社会参加から先を考える


 理想的には、大づかみに捉えて少しずつ確実にしていくといったイメージが良いでしょう。 

 私たちはどうしてもマイナス面が気になりますから、目の前の問題や小さな問題に捉われて、無理を押し付けたり、イライラしたり、先に進めずに足踏みをしたりしてしまうことがあります。
 
 しかしもっと、生涯という大きな視点で療育をとらえることが必要です。

 生徒さん一人ひとりの療育を考えるとき、ただ単に「今、○○ができるように」ということだけでなく,一人ひとりの生徒さんがどのような人生を歩み、どのような生涯を送るだろうかという、大きな視野を持つことが大切です。

 私たちの多くは義務教育を経て、高校や大学に進学し、就職し結婚し・・・という道をたどってきています。しかし、人生はそれだけではありません。ハンディを持つ方たちの、それとは違うすばらしい生き方が今ではたくさん紹介されています。造形リトミック研究所でも、20代・30代となってそんな人生を歩み始めている生徒さんが少なくありません。

 どのような道のりを歩むにしても、私たちに共通であるのは「生き生きと、日々幸福に生きること」です。その視野をもって、乳幼児期の療育、学齢期の療育、社会参加への療育、社会人の療育が考えられるべきです。

 そうすると、たとえ今出来ないことがたくさんあったとしても、それを全部乗り越えなくても良いことに気づくこともあります。また今それが出来なくても、全然気にしなくても良いことにも気づきます。

 また同じ課題(たとえば足し算)でも、何のために行うのか、どの段階まで行うのか、どのような方向性を持って行うのか、そういった判断が必要となってきます。

「幸福に生きる」ために、その目的のために課題が賢明に吟味、選択されるべきです。

 これは、ハンディがあるから学習しなくても良い、難しいことはしなくても良い、ということではありません。また、ハンディがあるからといって幼少のうちから人生を見限ることでもありません。まったくその逆です。

 私たちの多くは、学校の教科教育というあまりに限られたコースを生きてきています。それに合う人もいれば余りあわない人やまったく合わない人もいるのです。義務教育の大きな恩恵はありますが、その在り方は今、健常の子どもたちにとっても検討されなくてならない危機的な状況にもあります。

 療育者はともすると、自らが受けてきた学校教育の経験や視点から抜け出せずに、それをすべての生徒さんに当てはめようとしていることがあります。

 限られたコースから自由に抜け出し、解放されてコースを選択できる喜びを享受しましょう。目の前の努力は、基本的には生き生きと生きるための努力につながるものでなくてはなりません。

 そのための努力なら、惜しまず楽しみながらやっていきましょう。

 
info@zoukei-rythmique.jp  造形リトミック教育研究所
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