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発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

20.指導のポイント(3)

20.指導のポイント(3)「全部を生かす、一部を伸ばすどっち?」

「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
 造形リトミック教育研究所 玉野摩知佳 

*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー  

おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

 「全部を生かす? 一部を伸ばす?」

 これもやはり大切なことですね。

  きょうはこれを、「教科の学習」において整理して考えたい思います。
 冒頭の問いを言い換えると、「全部の科目にあたるか? 一部(ひとつ)の科目に絞るか?」となります。

 これは、お子さんによって異なります。
 勉強が好きなお子さん、すでに勉強の習慣ができているお子さんは、全部の科目に配分よく取り組んでいけばよいでしょう。

 しかしまずは一科目に絞って、学習の習慣をつけることから少しずつ進めていくのがよい場合もあります。

 ・勉強はあまり好きでない
 ・成績もなかなかふるわない
 ・特別興味のある科目がない
 ・毎日勉強する習慣がない、
 ・勉強の仕方が分からない
 ・いい成績をとったことはない、・・・のような場合です。

 このような状況は、ゼロからのスタートというよりもマイナスからのスタートです。お金で考えればただお金がないだけでなく、既に借金がある状況と同じです。また水泳に例えれば、ただ泳げないだけではなく、水への恐怖を持っている状況と考えれば分かりやすいと思います。

 このような状況で全科目をねらっていっては、マイナスの溝をさらに掘り進めてしまいます。では、どうしたらよいでしょう?

・机の上を片付けて、楽しい雰囲気で始めましょう。叱り付けて始めるのは禁物です。
・すぐにできそうなこと(簡単)から始めましょう → すぐに結果がでるように。
・「できた」(新しく知る)という実感が、次に進むエネルギーになるよう応援しましょう。

 例えば漢字学習。まずは傍らに座って学習に取り組むエンジンをかけてあげましょう(楽しい雰囲気で導入)。

 学習内容としては、書くことよりも読むことを優先しましょう。読むことは書くことに比べて、短時間で効果が出ます。やっているそばから、「できた」「できた」ということを肌で実感できることが必要です。5問できた、10問できた、半ページできた、1ページできた、・・・この達成感が大切なのです。

 自信や達成感は、前向きな意欲という恵みを与えます。ここで特に大切なことは、親御さんがあせらないことです。

「やらなくてはいけないことは、ほかにもたくさんあるのよ!漢字だけじゃないんだから!」

 でもあせらないことです。あせらず逆に、ほめることです。人はだれでも、他人に認められるとそれが大きな意慾となります。「すごいね」「できるじゃない」など何でもいいですからたくさんほめてあげて下さい。これは次への種まきです

 最終的には、人にほめられなくても自分から進んで目標を決めて努力するようになります。小さな目標を設定して、楽しく、簡単から取り組むことによって結果を感じられるように指導することがポイントです。

 そもそも人生の選択、進路の選択の、仕事の選択など、「選ぶ」ということは、逆に考えてみるとその他のこと捨てるということです。

 お店に入ってたくさんのメニューから自分が今食べたいものを選ぶということは、とりあえず今日は他のものは食べない、選ばないということですね。

 私はこのところ「鶏と野菜の黒酢アンかけ」をよく選びます。他にもおいしそうなメニューはたくさんあるのです。しかしそれは捨てて、「鶏と野菜の黒酢アンかけ」を選んだのです。他のメニューは今度のお楽しみです。あしからず

 
info@zoukei-rythmique.jp  造形リトミック教育研究所
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