今年は鑑真和上の1250回忌。その記念として例年だったら6月6日の命日を挟んで3日間の国宝鑑真大和上坐像の公開ですが、明日までの5日間と、10月にも3日間特別に公開されるそうです。
鑑真和上像は脱活乾漆像です。奈良時代の一時期の流行った仏像の作り方なのですが、その工法がすごく大変なのと、大量の漆を使うためにめちゃお金がかかるので、本当に一時期のものだったみたいです。
作り方を簡単に説明すると、まずは木で芯を作り、それに粘土をつけておよその形を作ります。その後麻布を巻き、漆を塗り・・・それを繰り返します。その後背中から中の粘土を取り出し・・・要するに張子の虎状態なわけですが、それから細かい作業で顔の表情を作ったりするわけです。
奈良時代に作られた脱活乾漆像の多くは国宝に指定されていますが、一番有名なのは興福寺の阿修羅像ですね。阿修羅の表情がすごく豊かなのも、この工法で作られているからです。巨大なものはこの唐招提寺の本尊でもある毘盧遮那仏像ですね。その他には東大寺法華堂の不空羂索観音、その脇につく金剛力士像2体や梵天・帝釈天立像。大阪葛井寺の千手千眼観音、法隆寺西円堂の薬師如来・・・その他いろいろあります。
唐招提寺は8時半から開いていますが、私達が着いたのが9時頃でした。唐招提寺には過去に5度以上お参りに来ていますが、私はまだ鑑真和上をお参りしたことがなかったんです。先程も書いたように、例年は6月5・6・7日の3日間だけなので、なかなかうまく土日に絡むことがなくて。
こちらが鑑真和上の像がある御影堂。鑑真和上を守るように、東山魁夷の襖絵が本当に見事でした。
鑑真和上の御廟。普段ならここもほとんどお参りする人はいません。
芭蕉が鑑真和上像と対面して詠んだとされる一句
「若葉して 御目の雫 拭はばや」の句碑。
私達が唐招提寺を出るときには、参詣者がまた増えていました。
普段の入山料が600円、+500円です。素敵な絵葉書をいただきました。
なお、この鑑真和上像のレプリカが完成し・・・これも脱活乾漆像なのですが、開山堂で今後常時拝見できるみたいです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます