過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛将、一文字秀虎。70歳を迎え、家督を3人の息子に譲る決心をする。長男太郎は家督と一の城を、次郎は二の城を、三郎は三の城をそれぞれ守り協力し合うように命じ、自分は三つの城の客人となって余生を過ごしたいと告げた。しかし、秀虎を待っていたのは息子たちの反逆と骨肉の争いだった。やがて、秀虎はショックのあまり発狂してしまう。
WOWOW ★★★★
先日「影武者」を紹介しましたが、「乱」もWOWOWで放送したので、こちらも久々に見直しました。「影武者」の方は実際にあった話(影武者がいたとかいうことではなく)のために、色々と制約があったかもしれませんが、この「乱」は毛利元就の逸話や「リア王」をベースにしているとはいえ、フィクションなのでめちゃ自由度が高かったと思われます。
物語は、現代の日本でも十分通用するお話。もちろん親兄弟での「殺し合い」はまずありませんが、一代で地位も名誉も財産もなし得た父親が、まだまだ元気で世間に対しても色気があるのに引退すると宣言し、3人いる息子たちにそれぞれの立場にたいして家督を相続するという話で、3兄弟間の間で諍いが起こるという話です。そしてまた父親も厄介者扱いを受け、三兄弟の間を「条件付き」で盥回しされるという話・・・これって洋の東西を問わずいつの時代でも通用する話です。
仲代達矢はこの映画撮影時、まだ52歳なわけで、特殊メイクで70過ぎの老人に見せようと努力はするのですが、その立ち居振る舞いはやはり70には見えません。城の階段を一気に駆け上がったり駆け下りたり・・・こういうのはやはり脚本でなんとかそういうシーンが無いようにしてほしいですね。
主人公に家族を皆殺しにされ、その居城を明け渡し、長男の正室となった楓を演じた原田美枝子の鬼気迫る演技が見ものです。当時彼女はまだ26歳・・・すごいです。
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