1926年、ニューヨーク。養父母とオランダから移民してきたアントニアの夢は、未だ女性では一人もいなかったプロの指揮者になること。音楽への情熱は誰にも負けないアントニアだったが、そんな彼女の前にはいくつもの高い壁が立ちはだかっていた。それでも夢を抱き続けたアントニアは、流れ着いたベルリンでついに女性に指揮を教えてくれる指導者と巡り会うのだったが…。
WOWOW ★★★★
めちゃ「積極的」で「わがまま」で「自分勝手」で「自信過剰」のヒロインなのですが、それを否定すると物語が成り立たなくなるので、目をつむることにします(笑) ただ、ヒロインを演じたクリスタン・デ・ブラーンと言うオランダの女優さんはとてもチャーミングだったのは事実です。また彼女を支えたベーシスト役のスコット・ターナー・スコフィールドもなかなか魅力的で、この役柄は「彼」のリアルな人生を表現しているとも言えるでしょう。ひょっとして彼は映画のオリジナルキャストなのかもしれません。この二人の出演している他の作品はまだ日本では公開されていないようなのですが、日本では無名な俳優さんでも映画の内容が良かったのであまり関係ないかもしれません。
この映画の最後に2017年にグラモフォン誌が発表した世界トップ50の指揮者の中にも女性が1人もいなかったことが紹介されていました。未だに指揮者の世界では女性は認められにくいということなんですね。
ウィキペディアで「女性指揮者」を検索してみると、日本人女性指揮者の名前が8人出てきましたが、全部合わせても35人で、この映画のヒロイン「アントニア・ブリコ」は初めての本格的な女性指揮者であったにもかかわらず、日本語版には名前はありませんでした。
監督が女性で、女性が指揮者になる難しさ、またジェンダーの問題も含んでいるので「今風」の物語かもしれません。
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