日本人の心を踊らせ、泣かせてきた昭和の歌謡曲。その礎は中山晋平、西條八十に始まり、三大作曲家の古賀政男、古関裕而、服部良一によって確立する。時は戦争、敗戦、高度成長へと進み、視聴手段もレコード、ラジオからテレビへと進化する。本書は音楽家が残した一次史料を歴史学の手法を用いて検証。各曲が生まれた背景とその特徴を炙り出す。藤山一郎、笠置シヅ子、山口百恵……。人はなぜ昭和歌謡に魅了されるのか。
私は昭和35年6月生まれ・・・ってことは、昭和は64年1月7日までなので、昭和を28年半生きたことになります。この「昭和歌謡史」は年代を追って順に詳しくその当時の音楽界の流れや、当時を代表する曲、歌手、作詞作曲編曲家などを詳しく網羅されているので、私の世代なら、ほぼほぼ半分は当時聞いていますし、「懐メロ」として昭和40年代からNHKの「思い出のメロディ」などで戦前の曲も紹介されているのを幼い頃から観てきました。
なので、昭和40年代まで「現役」で歌手を続けていた人の名前や代表曲は聞いていますし・・・って言っても、笠置シズ子の場合、歌手をやめたのが私が生まれる前だったため、彼女自信が歌っているのは観たことがありません・・・もちろん昔の映像などでは観たことがありますが。
ただまぁ、著者の刑部芳則氏は私よりも17歳も若い1977年生まれ。よくもまぁこれだけ調べて書き上げたものだと感心しました。もっともそんな事を言いだしたら、歴史研究家などは全員そうなのですが(笑)著者も「昭和歌謡史」という歴史の研究科ってことですね。
新書で350ページ以上。お値段もそこそこお高いので誰にでもおすすめできるってものでもないですが、昭和歌謡好きの人にはバイブルになるのは間違いないと思います。
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