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自分で自分の体を温める「自家発電」のポイント 光熱費対策

《電気料金高騰に克つ》光熱費を抑えつつ、自分で自分の体を温める「自家発電」のポイント 室内でも室外でも頭寒足熱を意識、夕食メニューにも工夫【医師や実践者が解説】

2024/12/18 16:15 (マネーポストWEB)



家計にやさしい「自家発電」で冬を賢く楽しく乗り切る(イメージ)

「寒いけど、暖房器具の使用は控えて少しでも光熱費を抑えたい」──寒さが本格化し、光熱費がかさむシーズンに突入した。かといって、光熱費をケチりすぎて体調を悪化させたら元も子もない。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが言う。

「寒さや冷えからくる不調は多く、寒さをがまんしすぎるのは禁物です。そこで、冬は毎日コツコツと自分で自分の体を温める『自家発電』が大事になります。光熱費等を抑えられるので家計にもやさしく、ダイエットや健康にもいいのです」

 自家発電といっても、必ずしも電気を生み出す必要はない。冷え込む朝、起きてすぐに行うべきはストレッチ。石原さんが言う。

「布団の中で両手両足をグーッと伸ばすと、体がポカポカしてきます。布団を出たらすぐに靴下かスリッパを履いて、足が冷えないようにしましょう」

 カーテンを開けて、太陽の光も浴びよう。

「神経伝達物質のセロトニンが分泌されて、夜の良質な睡眠につながります。いい睡眠は自律神経を整えて、体温を上げる」(石原さん・以下同)

 寝起きは白湯からスタートしたい。

「しょうがの粉末やシナモンなどスパイスをちょい足しするといい。朝食にみそ汁を飲むのもおすすめ。代謝が上がり、体温も上がりやすくなります」

 着る服は、室内でも室外でも頭寒足熱を心がけよう。

「冬は足先など下半身の血のめぐりが悪くなりやすい。暖かい空気は上に行き、下が冷えやすいので下半身を重点的に温めるのが効率的。下半身はスパッツやレッグウオーマー、ブーツなどで防寒対策をして、上はカーディガンなど脱ぎ着しやすいもので温度調節すると冷えを感じにくくなります」

体温の4割は筋肉が作っている

 昼間は活動的に過ごすことで、効率的に体温を上げることができる。アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さんは「自家発電のポイントは筋肉」と話す。

「人の体には『熱産生』という機能があり、筋肉を動かすことで熱を発生させて体を温めることができます。日中は長く座りすぎないよう体を動かし、筋肉を使いましょう。掃除に雑巾がけを取り入れるなど、工夫するといいです」(高林さん)

 空いた時間にはトレーニングやストレッチを取り入れたい。高林さんが紹介するのは「忍者ぷるぷる体操」。

「筋肉を意図的に震わせることで、熱を生み出すことができる。胸の前で両手を合わせ、忍者が呪文を唱えるときのように人差し指を立てます。そのまま両手を目いっぱいの力で押し合い、胸や腕の筋肉がぷるぷると震え始めたら終了です。最初は震えるまで1分ほどかかる人もいますが、続けると震えるまでの時間が短く、発熱しやすくなります」

 石原さんも体を動かすことをすすめる。

「体温の約4割は筋肉が作っているので、運動すれば自家発電できる。通勤時間などを活用して1日20分は歩いてほしい。買い物帰りは、荷物が入ったショッピングバッグを上げ下げしてもいい。筋肉の約7割は下半身にあるので、スクワットも効果的。1日30回くらい行ってください」

 ガス・水道代を節約し、電気代0円で暮らす染織作家のフジイチカコさんは、エアロバイクを改造した「人力発電機」を使って体を温めているという。

「自転車のようにペダルをこぐので、5分で体がポカポカします。発電もできるので一石二鳥です」

 体を動かした後、昼食には何を選ぶといいのか。

「七味やねぎなど薬味が入ったそばや、スパイスたっぷりのカレーは体を温めてくれます」(石原さん)

 晴れた日は太陽光のパワーを活用して節電しよう。フジイさんは、太陽光を反射板などで一点に集めて食材を温める「ソーラークッカー」を使っている。

「市販のものもありますが、手作りも可能です。まず、片面がアルミのレジャーシートを、銀色の面を内側にして三角コーナーのように折って反射板を作ります。反射板の上に鍋敷きと鍋を置き、熱を集めるために黒いアルミ箔で鍋を覆い、耐熱ボウルで蓋をします。鍋にサーモンや鶏胸肉を入れておけば1〜2時間で焼けるし、水は約90℃に温まります。そのお湯を湯たんぽに使って布団に入れておくと、寝るときも温かい」

 太陽光で生み出した電気をバッテリーに蓄電すれば、家電などにも利用できる。

体を温める夕食メニューの具材の選び方

 底冷えする夜は、窓に工夫をして乗り切ろう。

「熱エネルギーは窓から逃げるので、窓際対策は大事。カーテンは中綿のあるキルト生地を選び、レースのカーテンには3層構造で結露防止の断熱シートをクリップなどで留めるといい。カーテンは床につく長さにして、下からの冷気を防ぎましょう。カーテンと窓の間には、片面がアルミのレジャーシートを立てかけると、断熱効果がアップします」(フジイさん)

 体を温める夕食メニューは、やはり鍋だ。具材の選び方もポイントになる。

「定番具材のねぎのアリシンや、きのこのビタミンDは免疫力を高めてくれる。玉ねぎやにんにくなど薬味を使えば、より体が温まります。豚汁もいいですね。生野菜のサラダは体を冷やすので蒸し野菜や野菜炒めにしましょう。お酒は血行を促進するので飲んでもいいですが、夏においしく感じるビールやハイボール、白ワインは体を冷やします。赤ワインや熱燗を選んでください」(石原さん)

 高林さんは土の中で育つ野菜を食べるといいと話す。

「大根やごぼう、じゃがいもなど、地中で育つ食べ物は体を温めます」

 食後のだんらんでは、家族に「愛している」と愛の言葉を伝え合って。

「日本人は愛の言葉をあまり口にしない国民性なので、“愛している”と言うと、恥ずかしさから体がほてり、温まります。人前で恥ずかしいことをしたときに、顔が赤くなるのと同じメカニズムです」(高林さん)

 お風呂はガス代を気にしすぎず、しっかり温まる。

「湯船に肩までつかって筋肉をゆるめると血流がよくなり、温まりやすい体になる。冬は41℃で10〜15分ほどつかるのが目安。うっすら汗をかいてきたら温まった証拠です」(石原さん)

 入浴前にスクワットや浴槽で忍者ぷるぷる体操をすると、早く体が温まる。少しでもガス代を節約したいという人は週に1〜2回、半身浴をすればいいとフジイさんはアドバイスする。

「節水シャワーヘッドも併用するといいでしょう。湯量が約3分の2になるので節約になります」

 寝るときは昼間と同様、頭寒足熱を意識しつつ、腹巻きをしてお腹を温めたい。

「忍者ぷるぷる体操は、布団の中でもできます。カイロや湯たんぽで肝臓周辺を温めるのもいい。肝臓は体でもっとも高温な臓器なので、温めると血流がよくなり、全身がポカポカになります」(高林さん)

 工夫次第で、電気を使わずに温かく過ごすことはいくらでもできる。寒い冬を賢く、楽しく乗り切ろう。

※女性セブン2025年1月1日号

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