葉山町議会、安倍氏国葬反対の意見書可決 政府・国会に提出へ 「法治主義にも財政民主主義の原則にも違反」
2022/09/07 00:00 (神奈川新聞)

神奈川新聞
神奈川県の葉山町議会は6日の本会議で、近藤昇一氏(共産)から提出された「安倍元首相の国葬に反対する意見書」案を賛成多数で可決した。後日、政府や国会に提出する。
意見書は、政府が安倍晋三元首相の国葬を閣議決定したことについて、「国葬の要件を定めた法規がないもとで、国会審議も経ず、約2億5千万円の国費を投じて実施しようとしている」と指摘し、「法治主義にも財政民主主義の原則にも違反する」と批判。
さらに、国葬を行うことで「元首相の政治的立場・姿勢を国家として全面的に公認・賛美し、弔意を個々の国民に事実上強制することにつながる」と懸念を示している。
意見書案の審議では賛成、反対の立場から計7人が討論を行い、それぞれ持論を展開した。採決の結果、議長を除く13人のうち8人が賛成して可決した。
支持率急落の岸田政権が抱く「リクルート事件の悪夢」
2022/09/07 06:00 (AERA dot.)

岸田文雄首相
「国民の皆様から引き続き懸念や疑念の声を頂いている。自民党総裁として率直にお詫びを申し上げます」
8月31日、新型コロナの療養を終えた岸田文雄首相の仕事は、自民党議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との疑惑への陳謝で始まった。
岸田政権は急速に国民の支持を失っている。朝日新聞が8月下旬に実施した世論調査では、内閣支持率は前月より10ポイントダウンの47%(不支持率39%)。旧統一教会と自民党議員との癒着や、国葬実施への反発などが背景にあると思われる。
この間の展開は急だった。7月の参院選で自民党を大勝に導いた岸田首相は、9月に満を持して内閣改造と党役員人事を行うとみられていた。
しかし、安倍晋三元首相への銃撃事件をきっかけに旧統一教会と自民党との関係が次々と明らかになると、安倍元首相の国葬(9月27日)や物価高などへの批判と相まって、内閣支持率が急落。局面打開を余儀なくされた首相は予定を前倒しし、8月10日に人事を断行した。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が語る。
「自民党幹部の初動が遅かったのは、岸田首相、茂木敏充幹事長、遠藤利明総務会長ら今の執行部は旧統一教会との関係が薄く、ピンとこなかったからでしょう。教団との関係で名前が挙がったのは萩生田光一政調会長に代表されるように清和会(安倍派)議員が多く、清和会の問題と高を括ってしまった節がある」
だが、9月2日時点で19人の閣僚のうち8人、54人いる副大臣・政務官のうち20人以上が教団と接点を持っていたことが判明している。政権中枢がこの状態では、秋の臨時国会は収拾がつかなくなるのは目に見えている。ベテラン議員の一人は「もはや一派閥の問題で片づけることはできない。官邸はパニック状態です」と打ち明ける。
岸田首相は打開策として、発信力がある河野太郎消費者相に「霊感商法」への対応を協議する検討会を設置させたが、それでもメディア各社の支持率低下には歯止めがかからない。岸田首相は周囲に「国葬までは何とかしのごう」と言うのが口癖になっているという。
こうした政権の姿勢に政治アナリスト、伊藤惇夫氏は厳しい見方を示す。
「岸田さんに聞く力はあっても、説明する力はない。旧統一教会と『関係を断ち切る』と言っていたが、本当にできるか疑問です。関係を切ると言っても、その理由は何で、何を問題視しているのかの説明がない。今後、政権としてこの組織にどう対処していくのかもはっきりしません」
自民党関係者によると、自民党議員と旧統一教会の関係は「選挙の支援」が中心だったという。
「統一教会関係者の運動員は熱心で、ビラまきやポスター貼りを無休で毎日やってくれる。選挙が始まると、体育会系の合宿さながらにアパートの部屋をいくつも借りて、こうした運動員を寝泊まりさせていた議員もいた」
協力関係は選挙の時だけに限らない。前出の自民党関係者によると、多い時には50〜60人の統一教会関係者が自民党議員の秘書として入り込んでいた時期があったという。
「現在も10を超える政治家の事務所に秘書が入り込んでいると聞く。そうしたズブズブの関係がすぐに断ち切れるはずがない」(自民党関係者)
前出の伊藤氏が語る。
「旧統一教会関係者は地方議会にもかなり浸透しており、その対応をどうするかも厄介。岸田首相は『こんなはずじゃなかった』と思っているでしょう。参院選で一強体制が盤石になり、驕りがあった。萩生田光一氏の旧統一教会との関係は改造前に噂が流れていたわけで、それをあえて政調会長にするというのは人事をなめていたとしか言いようがない」
臨時国会では野党が追及の構えを見せており、対応を誤ると政権はさらに失速しかねない。
「リクルート事件との共通点を感じます。当時も100人近い自民党の国会議員が関与していた。世論が盛り上がり、自民党は政治改革に踏み切らざるを得なくなり、結果として衆院の選挙制度改革までつながりました。あの時は自民党の中から改革を求める声が上がりましたが、今は党内にそうした動きがまったく見られない。よほど党が劣化したのでしょう」(伊藤氏)
(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2022年9月16日号より抜粋
8月31日、新型コロナの療養を終えた岸田文雄首相の仕事は、自民党議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との疑惑への陳謝で始まった。
岸田政権は急速に国民の支持を失っている。朝日新聞が8月下旬に実施した世論調査では、内閣支持率は前月より10ポイントダウンの47%(不支持率39%)。旧統一教会と自民党議員との癒着や、国葬実施への反発などが背景にあると思われる。
この間の展開は急だった。7月の参院選で自民党を大勝に導いた岸田首相は、9月に満を持して内閣改造と党役員人事を行うとみられていた。
しかし、安倍晋三元首相への銃撃事件をきっかけに旧統一教会と自民党との関係が次々と明らかになると、安倍元首相の国葬(9月27日)や物価高などへの批判と相まって、内閣支持率が急落。局面打開を余儀なくされた首相は予定を前倒しし、8月10日に人事を断行した。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が語る。
「自民党幹部の初動が遅かったのは、岸田首相、茂木敏充幹事長、遠藤利明総務会長ら今の執行部は旧統一教会との関係が薄く、ピンとこなかったからでしょう。教団との関係で名前が挙がったのは萩生田光一政調会長に代表されるように清和会(安倍派)議員が多く、清和会の問題と高を括ってしまった節がある」
だが、9月2日時点で19人の閣僚のうち8人、54人いる副大臣・政務官のうち20人以上が教団と接点を持っていたことが判明している。政権中枢がこの状態では、秋の臨時国会は収拾がつかなくなるのは目に見えている。ベテラン議員の一人は「もはや一派閥の問題で片づけることはできない。官邸はパニック状態です」と打ち明ける。
岸田首相は打開策として、発信力がある河野太郎消費者相に「霊感商法」への対応を協議する検討会を設置させたが、それでもメディア各社の支持率低下には歯止めがかからない。岸田首相は周囲に「国葬までは何とかしのごう」と言うのが口癖になっているという。
こうした政権の姿勢に政治アナリスト、伊藤惇夫氏は厳しい見方を示す。
「岸田さんに聞く力はあっても、説明する力はない。旧統一教会と『関係を断ち切る』と言っていたが、本当にできるか疑問です。関係を切ると言っても、その理由は何で、何を問題視しているのかの説明がない。今後、政権としてこの組織にどう対処していくのかもはっきりしません」
自民党関係者によると、自民党議員と旧統一教会の関係は「選挙の支援」が中心だったという。
「統一教会関係者の運動員は熱心で、ビラまきやポスター貼りを無休で毎日やってくれる。選挙が始まると、体育会系の合宿さながらにアパートの部屋をいくつも借りて、こうした運動員を寝泊まりさせていた議員もいた」
協力関係は選挙の時だけに限らない。前出の自民党関係者によると、多い時には50〜60人の統一教会関係者が自民党議員の秘書として入り込んでいた時期があったという。
「現在も10を超える政治家の事務所に秘書が入り込んでいると聞く。そうしたズブズブの関係がすぐに断ち切れるはずがない」(自民党関係者)
前出の伊藤氏が語る。
「旧統一教会関係者は地方議会にもかなり浸透しており、その対応をどうするかも厄介。岸田首相は『こんなはずじゃなかった』と思っているでしょう。参院選で一強体制が盤石になり、驕りがあった。萩生田光一氏の旧統一教会との関係は改造前に噂が流れていたわけで、それをあえて政調会長にするというのは人事をなめていたとしか言いようがない」
臨時国会では野党が追及の構えを見せており、対応を誤ると政権はさらに失速しかねない。
「リクルート事件との共通点を感じます。当時も100人近い自民党の国会議員が関与していた。世論が盛り上がり、自民党は政治改革に踏み切らざるを得なくなり、結果として衆院の選挙制度改革までつながりました。あの時は自民党の中から改革を求める声が上がりましたが、今は党内にそうした動きがまったく見られない。よほど党が劣化したのでしょう」(伊藤氏)
(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2022年9月16日号より抜粋
「お金集めがすべてに優先される」「狂った組織文化」統一教会元会長の息子が実名告発
2022/09/07 16:00 文春オンライン
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の日本本部に約20年間在籍した元幹部が「 週刊文春 」の取材に応じ、教団の「献金問題」が2009年のコンプライアンス宣言後も続いている実態を告発した。
この元幹部は、信者の家庭や二世教育に関わる要職の家庭教育局副局長を務めた櫻井正上氏(48)。父親は日本教会第5代会長の櫻井設雄氏(故人)、母は原理講師の節子氏という、教団の草創期から活動した大幹部夫妻の長男である。

統一教会 田中富広会長 ©共同通信社
信徒に献金に対する過度なプレッシャーを与えていたのは事実
櫻井氏が語る。
「日本教会が進めてきた献金、集金のやり方は、明らかに社会的モラルに反するものでした。解決すべき課題だという認識は内部にもあったのですが、お金集めが全てに優先される教団の“狂った組織文化”が変わることはありませんでした。そうした教団の方針に異を唱えたところ、組織に対する反逆と見なされた。職を解任され、教団を離れることになったのです」
櫻井氏は山上徹也容疑者による安倍晋三元首相殺害事件をきっかけに、教団の内情を多くの人々に知ってほしいと手記を執筆した(手記全文は「 週刊文春 電子版 」で公開)。
この手記では、統一教会の田中富広・第14代会長が7月11日の記者会見で「献金のノルマはない」と釈明したことについて、こう反論している。〈本部が全国の「現場教会」に無理なノルマを課していたことは、内部の人間なら、誰もが知る事実でした。また、献金は「個々の意思によるもの」ということですが、献金を「しなければならない」といった空気を作り出し、信徒に過度なプレッシャーを与えていたのも、また事実です〉
「上から献金の指示が容赦なく降ってくる」
また、田中会長が8月10日の会見で「霊感商法なるものを当法人が行ったことはない」とし、「特に2009年以降、コンプライアンスの徹底に努めている」と述べたことに対しては、〈今回問題となったのは、「外部」に向けられた物販活動ではなく、信徒たち「内部」に向けられた献金圧迫の問題〉と指摘。〈そして、それは2009年以降も、変わらず続いていました〉と述べている。
櫻井氏は信者たちが置かれている状況をこう証言する。
「私自身が二世でもあったし、役職上、二世たちの痛みや苦悩も数多く見聞きしてきました。家庭の平和を守ろうという組織なのに、献金によって家庭が破綻したら本末転倒です。家庭の問題を何とかしようとしても、その原因となる献金の指示が容赦なく上から降ってくるのです」
統一教会は櫻井氏について「当法人が強制的に解任したという事実はございません」。同氏が明かしている献金の実情については「そのような事実はございません」と回答した。
9月7日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および9月8日(木)発売の「週刊文春」では、韓国の本部からの献金要請に逆らえない教団の体制や、子供の学費や保険を解約してまで献金をする信者たちの苦悩などについて詳報する。また「週刊文春 電子版」では櫻井氏が教団の実態を綴った告発手記の全文を公開する。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月15日号)
ブログ村ランキングに参加しています
バナーをクリックして応援お願いします
おすすめのサイト