夏の脱水は脳血管疾患リスクに 医師が教える「血液を健康に保つ」食養生
2022/07/15 16:00 (AERA dot.)
私たちのからだは食べたものでできています ※写真はイメージです
脳梗塞などの脳血管疾患は、寒い冬に起こりやすいと思ってはいませんか? 実は夏も発症しやすく、その原因は脱水にあります。こまめな水分補給で脱水を予防すると共に、日頃から血液の健康を意識することが大切。生活習慣病に関する注目トピックスを交えながら、血液を健康に保つコツを、前編・後編にわたってお伝えします。前編では食習慣について紹介します。(自分で自分の健康を守るための健康情報を発信する「セルフドクターWeb」より転載)
■血液はその人の生活習慣を映し出す
血液は、体の健康状態を教えてくれる心強い存在。自覚症状が現れにくい糖尿病や脂質異常症も、血液検査をしていれば早い段階で気づくことができるのです。
糖質や脂質に偏った食生活、運動不足や睡眠不足などの悪しき生活習慣は、動脈硬化の原因に。動脈硬化が進めば、脳血管疾患や心疾患などの重篤な病気を招き、認知症や寝たきりになったり、最悪の場合亡くなる可能性もあるのです。そうならないためにも、普段から血液や血管の健康を維持したいもの。血液検査を定期的に受け、血液が教えてくれる情報を見逃さないことが大切です。
■アメリカ人よりも高い日本人のコレステロール
日本人の血液の状態は今どうなっているのでしょうか? 動脈硬化や生活習慣病の専門家、寺本民生先生に聞きました。
「戦後、日本は欧米に追いつけ追い越せで発展し、食生活も欧米化しました。体格がよくなり、肥満も増えました。血中コレステロール値でいうと、1970〜90年にかけて日本人のコレステロールの平均値は上昇し、2000年にはアメリカ人とほぼ同等。2010年にはアメリカを抜いています。アメリカはコレステロールを下げることを国策にし、平均値は順調に下がってきています。逆に日本では、どんどん平均値が上がっているのです」
また、認知症の中でも脳の血管障害によって起こる「脳血管性認知症」は、高血圧や糖尿病との関連が指摘されています。認知症予防のためにも、血液の健康を保つことが大切です。基本的な対策となるのは下記の8つです。
<血液を健康に保つための基本対策>
(1)食事の質を意識する
(2)年齢に応じて食事量を変える
(3)朝食を抜かない
(4)運動して筋力を維持する
(5)ストレスをためない
(6)禁煙
(7)質のよい睡眠をとる
(8)血液検査を定期的に行う
■(1)食事の質を意識する
糖質や脂質を摂り過ぎると、血糖値やコレステロール値、中性脂肪値を上げることは分かっていても、なかなか食習慣は変えられないものです。
「これはもう人間の性で、脳は甘い物、脂っこい物、塩辛い物をおいしいと感じるようにできているのです。これを変えることは難しい」と寺本先生。そもそも糖質も脂質も、体にとって必要な栄養素。制限するというよりも、まずは“質”を意識するのがよいそうです。
「食事で目指すべきは、野菜や魚、大豆、発酵食品などで構成された伝統的な日本食。中でも魚と大豆製品に関しては、生活習慣病予防に効果があることがデータで明らかになっています。伝統的な日本食にならった食事は、“The Japan Diet”と呼ばれ、脂質異常症などの治療にも用いられています」
<糖質の吸収を緩やかにする食物繊維を賢く取り入れる>
日本人やアジア系の人は遺伝的に糖尿病になりやすい体質のため、糖質とのつき合い方には注意が必要です。ご飯やめん類などの炭水化物も糖質(複合糖質)ですが、気をつけたいのがお菓子やジュースに含まれる、砂糖を主とした「単純糖質」。複合糖質と比べて血糖値が上がりやすいとされます。
また、腹囲が男性85cm 以上、女性90cm 以上の内臓脂肪がたまっている人は、糖尿病のリスクが高くなるとされます。「当てはまる人は、食事における糖質を50%に減らすぐらいの対策が必要」と寺本先生。主食のご飯を半分に減らすなどの工夫をし、野菜や海藻類は毎食摂るよう心がけましょう。これらの食材に多く含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防いでくれます。
<動脈硬化の予防に優れたn−3系脂肪酸の割合を増やす>
脂質の摂取については、動物性脂肪の「飽和脂肪酸」よりも、魚油や植物性脂肪の「不飽和脂肪酸」を多く摂るよう、バランスを心がけましょう。不飽和脂肪酸のうち、魚油や亜麻仁油に代表される「n(オメガ)−3系脂肪酸」は、現代の日本人に不足しがちな脂肪酸。動脈硬化に有効なので、積極的に摂るようにしましょう。
オリーブ油には、動脈硬化の要因となるLDL(悪玉)コレステロール値を下げる働きがあるとされています。そのオリーブ油をはじめ、野菜や魚介をたっぷり使った地中海食は、動脈硬化を防ぐ食事として、世界的に注目されています。
一方、控えたい脂質は「トランス脂肪酸」。マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどに含まれています。血管に対する毒性がある点でも注意が必要。加工食品を購入する際は、原材料を確認することが大切です。
■(2)年齢に応じて食事量を変える
糖質や脂質とのつき合い方は、年代によって異なります。特に摂り過ぎを気にしなければいけないのは、40〜50代。男女共に性ホルモンの分泌量が低下し、体に脂肪がつきやすい頃で、生活習慣病のリスクも高まります。一方、成長期の子どもや、低栄養になりがちな高齢者は、摂取量の制限が健康面でマイナスになることも。ライフステージ別に摂取量は調整していくものと考えましょう。
糖質や脂質が気になる人は、血糖値やコレステロール値の上昇を防ぐ食物繊維を配合した特定保健用食品(トクホ)を活用するのも一案です。
後編では、血液を健康に保つための生活習慣を紹介していきます。
監修/寺本民生(てらもと・たみお)先生
医学博士。1973年東京大学医学部卒業。帝京大学医学部学部長などを経て2013年寺本内科・歯科クリニック開業。専門分野は、内分泌、代謝、動脈硬化。日本動脈硬化学会名誉会員、日本成人病(生活習慣病)学会名誉会員。帝京大学医学部臨床研究医学講座特任教授、帝京大学臨床研究センター センター長。
セルフドクターHP
■血液はその人の生活習慣を映し出す
血液は、体の健康状態を教えてくれる心強い存在。自覚症状が現れにくい糖尿病や脂質異常症も、血液検査をしていれば早い段階で気づくことができるのです。
糖質や脂質に偏った食生活、運動不足や睡眠不足などの悪しき生活習慣は、動脈硬化の原因に。動脈硬化が進めば、脳血管疾患や心疾患などの重篤な病気を招き、認知症や寝たきりになったり、最悪の場合亡くなる可能性もあるのです。そうならないためにも、普段から血液や血管の健康を維持したいもの。血液検査を定期的に受け、血液が教えてくれる情報を見逃さないことが大切です。
■アメリカ人よりも高い日本人のコレステロール
日本人の血液の状態は今どうなっているのでしょうか? 動脈硬化や生活習慣病の専門家、寺本民生先生に聞きました。
「戦後、日本は欧米に追いつけ追い越せで発展し、食生活も欧米化しました。体格がよくなり、肥満も増えました。血中コレステロール値でいうと、1970〜90年にかけて日本人のコレステロールの平均値は上昇し、2000年にはアメリカ人とほぼ同等。2010年にはアメリカを抜いています。アメリカはコレステロールを下げることを国策にし、平均値は順調に下がってきています。逆に日本では、どんどん平均値が上がっているのです」
また、認知症の中でも脳の血管障害によって起こる「脳血管性認知症」は、高血圧や糖尿病との関連が指摘されています。認知症予防のためにも、血液の健康を保つことが大切です。基本的な対策となるのは下記の8つです。
<血液を健康に保つための基本対策>
(1)食事の質を意識する
(2)年齢に応じて食事量を変える
(3)朝食を抜かない
(4)運動して筋力を維持する
(5)ストレスをためない
(6)禁煙
(7)質のよい睡眠をとる
(8)血液検査を定期的に行う
■(1)食事の質を意識する
糖質や脂質を摂り過ぎると、血糖値やコレステロール値、中性脂肪値を上げることは分かっていても、なかなか食習慣は変えられないものです。
「これはもう人間の性で、脳は甘い物、脂っこい物、塩辛い物をおいしいと感じるようにできているのです。これを変えることは難しい」と寺本先生。そもそも糖質も脂質も、体にとって必要な栄養素。制限するというよりも、まずは“質”を意識するのがよいそうです。
「食事で目指すべきは、野菜や魚、大豆、発酵食品などで構成された伝統的な日本食。中でも魚と大豆製品に関しては、生活習慣病予防に効果があることがデータで明らかになっています。伝統的な日本食にならった食事は、“The Japan Diet”と呼ばれ、脂質異常症などの治療にも用いられています」
<糖質の吸収を緩やかにする食物繊維を賢く取り入れる>
日本人やアジア系の人は遺伝的に糖尿病になりやすい体質のため、糖質とのつき合い方には注意が必要です。ご飯やめん類などの炭水化物も糖質(複合糖質)ですが、気をつけたいのがお菓子やジュースに含まれる、砂糖を主とした「単純糖質」。複合糖質と比べて血糖値が上がりやすいとされます。
また、腹囲が男性85cm 以上、女性90cm 以上の内臓脂肪がたまっている人は、糖尿病のリスクが高くなるとされます。「当てはまる人は、食事における糖質を50%に減らすぐらいの対策が必要」と寺本先生。主食のご飯を半分に減らすなどの工夫をし、野菜や海藻類は毎食摂るよう心がけましょう。これらの食材に多く含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防いでくれます。
<動脈硬化の予防に優れたn−3系脂肪酸の割合を増やす>
脂質の摂取については、動物性脂肪の「飽和脂肪酸」よりも、魚油や植物性脂肪の「不飽和脂肪酸」を多く摂るよう、バランスを心がけましょう。不飽和脂肪酸のうち、魚油や亜麻仁油に代表される「n(オメガ)−3系脂肪酸」は、現代の日本人に不足しがちな脂肪酸。動脈硬化に有効なので、積極的に摂るようにしましょう。
オリーブ油には、動脈硬化の要因となるLDL(悪玉)コレステロール値を下げる働きがあるとされています。そのオリーブ油をはじめ、野菜や魚介をたっぷり使った地中海食は、動脈硬化を防ぐ食事として、世界的に注目されています。
一方、控えたい脂質は「トランス脂肪酸」。マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどに含まれています。血管に対する毒性がある点でも注意が必要。加工食品を購入する際は、原材料を確認することが大切です。
■(2)年齢に応じて食事量を変える
糖質や脂質とのつき合い方は、年代によって異なります。特に摂り過ぎを気にしなければいけないのは、40〜50代。男女共に性ホルモンの分泌量が低下し、体に脂肪がつきやすい頃で、生活習慣病のリスクも高まります。一方、成長期の子どもや、低栄養になりがちな高齢者は、摂取量の制限が健康面でマイナスになることも。ライフステージ別に摂取量は調整していくものと考えましょう。
糖質や脂質が気になる人は、血糖値やコレステロール値の上昇を防ぐ食物繊維を配合した特定保健用食品(トクホ)を活用するのも一案です。
後編では、血液を健康に保つための生活習慣を紹介していきます。
監修/寺本民生(てらもと・たみお)先生
医学博士。1973年東京大学医学部卒業。帝京大学医学部学部長などを経て2013年寺本内科・歯科クリニック開業。専門分野は、内分泌、代謝、動脈硬化。日本動脈硬化学会名誉会員、日本成人病(生活習慣病)学会名誉会員。帝京大学医学部臨床研究医学講座特任教授、帝京大学臨床研究センター センター長。
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いまお得な野菜は? 早い猛暑でキュウリやトマト、レタスは安いが…高温で出荷量が減る作物も
2022/07/16 10:00 (夕刊フジ)
いまはレタスがお買い得だ(写真はイメージ)
物価高が深刻化するなか、タマネギの価格が平年の約2倍に値上がりするなど高騰していた野菜価格はどうなっているのか。異例の早さで梅雨明けし、猛暑となった影響で夏野菜の出荷が順調に進み、現在お買い得の品目もあるという。今後の値動きについても調査した。
東京都内にスーパーを展開する「アキダイ」の秋葉弘道社長は、「キュウリは平年の2〜3割は安く販売されている。これから出荷量が増える産地がやや伸び悩むが、多少値上げしても平年並みの範囲で落ち着きそうだ」とみる。
農林水産省の食品小売価格動向調査によると、今月4〜6日の週のキュウリの販売価格は1キログラム当たり455円で、平年比91%だった。トマトは1キロ627円で平年比102%だが、前週比では97%と安く推移している。農水省生産局園芸作物課の担当者は、「高温が早く訪れたことで夏野菜の肥大も全体的に早まった」と解説する。
レタスも、アキダイではLサイズで1玉68円だといい、秋葉氏は「最近はずっと安い」と語る。
6月27〜29日の週のレタスの販売価格は1キロ354円で平年比の93%、前週比では90%だった。今月4日の週の販売価格も1キロ348円で前週を下回っている。
「長野県産のレタスは天候が良く生育状況も回復しているため、価格も安く推移している」と農水省の担当者。
最近は雨が多く天気が崩れているが、キャベツの出荷には好影響だという。前出の秋葉氏は「群馬県嬬恋村では、雨を受けてキャベツが順調に肥大している。価格も安定して安く推移しそうだ」と話す。
一方、高温で出荷量が減る作物もあったという。前出の農水省担当者は「ホウレンソウは高温で出荷量が減り、7月上旬は販売価格も高く出回ったが中旬にかけては平年並みに回復している」という。
顕著な高騰を見せ、手を出しにくかったタマネギにも、ようやく価格安定の傾向が見えてきた。前週時点の価格動向調査では1キロ447円で平年比184%だが、「兵庫県産や佐賀県産は出荷量が順調だ。ただし昨年秋から不足感があり、価格の回復もなだらかになる」と農水省の担当者。
前出の秋葉氏は「秋には主要産地の北海道から出荷されるので、秋以降はしばらく価格の安定が見込めそうだ」との見通を示した。
家計の救世主となるか。
小学給食の五目豆に「コ」の字形のホチキス針、小5男児が食べている時に気づく
2022/07/17 08:48 (読売新聞)
川崎市教育委員会は15日、市立菅生小学校(宮前区)の給食にホチキスの針1本が混入していたと発表した。
市教委によると、同日午後0時20分頃、5年生の男児が給食の五目豆を食べている時に異物に気づいた。針は「コ」の字形の状態で見つかったが、男児にけがはないという。
同校は全学級で五目豆を食べないよう呼びかけた。市教委は針の混入の経緯を調べている。
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