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マイナ保険証へ一本化予定 健康保険証はどうなる

健康保険証の発行は12月終了、受診はどうなる? マイナ保険証へ一本化予定だったが複数の方法が選べる



2024/10/20 05:00(東洋経済オンライン)

2024年12月に現行の健康保険証の新規発行が終了し、「マイナ保険証」への移行が迫っています。一方で、2024年10月末からは一度登録したマイナ保険証の解除もできるようになります。

医療機関での本人確認の選択肢は、マイナ保険証への統合により本来は一本化されるはずでしたが、実際には複数の方法が共存します。移行期間となる2024年12月から2025年12月にかけては、特に複雑になりそうです。

10月28日からマイナ保険証の登録解除が可能に

健康保険証の利用登録がされたマイナンバーカードは「マイナ保険証」として、医療機関の受診時の本人確認証に利用できます。これまでは一度登録すると取りやめることができませんでしたが、10月28日から、登録の解除が可能になります。

解除の手続きは、加入している健康保険組合や自治体で受け付けます。保険者・自治体により開始時期が異なり、実際に解除の手続きができるようになるのはもう少し先になるところもあるようです。

また、解除の申請方法も、窓口や郵送で申請書を提出するのが基本ですが、一部の地域ではオンラインでの申請を受け付けるようです。

ところで、従来から用いられてきた紙やカードタイプの保険証は、マイナ保険証への移行に伴って12月2日以降には新規発行されなくなることが決まっています。
準備段階から頻発している行政や医療現場でのトラブルや、8月時点で約12%にとどまっているマイナ保険証の利用率などを理由に、さまざまな異論は上がっていますが、執筆時点においてはマイナ保険証への一本化は予定通り進む見通しです。

12月2日以降、「資格確認書」が発行される

現行の保険証に代わり、12月2日以降に交付が始まるのが「資格確認書」です。保険証と同じように、加入先の保険者名や住所、本人の氏名や生年月日、番号、有効期限などが記載され、医療機関の受診時などに本人確認書類として使えるものです。

加入する健康保険制度により異なることがありますが、外見や様式も保険証と酷似しています。中小企業などで働く人が加入する協会けんぽを例にとると、プラスチックカードタイプの形状や表面の記載事項はほぼ同じです。

また、神奈川県川崎市では今月初め、国民健康保険の加入者に被保険者証を発行すべきところ、誤って資格確認書を発送するミスが発生しましたが、こちらも券面のタイトル以外、両者の外見はまったく同じといってもいいものでした。

この資格確認書は12月2日以降、以下の条件に該当する人などに対して自動的に交付されます。

・マイナンバーカード持っていない人
・マイナンバーカードを持っているが、マイナ保険証の利用登録をしていない人
・75歳になり、新たに後期高齢者医療制度に加入する人

対象者であれば、資格確認書を受け取るために事前の申請手続きなどは必要ありません。

しかし、登録済のマイナ保険証を持っている人には、原則として資格確認書は交付されません。マイナ保険証と資格確認書は併用ができないことになっており、12月以降は基本的に、マイナ保険証か資格確認書のどちらかのみを保有・利用することになっています。

もし、マイナ保険証を持っているけれども資格確認書を使いたいというときには、マイナ保険証の登録を解除する必要があります。

登録解除が完了し、かつ有効な(従来の)保険証を持っていない場合には、12月2日以降に資格確認書が発行されます(ただし、登録解除には1〜2カ月程度かかるようです)。

これまでの保険証はどうなるのか?

なお現行の保険証は、有効期間内であればマイナ保険証を登録済でも利用できます。有効期間内の健康保険証は経過措置として、2024年12月2日から最長1年間までは有効です。

会社員や公務員などで有効期間が4〜5年に設定されている場合には、有効期限が2025年12月以降にあたることがありますが、その場合は2025年12月1日までであれば、今まで通り利用できるようです。

ただし、経過期間中に転職や転居などで加入先の健康保険が変わった際には、保有していた健康保険証は失効します。新しく加入する健康保険から発行される資格確認書か、マイナ保険証を利用することになります。

つまり、今後、医療機関で本人確認に利用できるのは、おもに次のパターンにまとめられます。

マイナ保険証を持っている人

マイナ保険証、または現行の保険証(最長2025年12月1日まで)

マイナ保険証を持っていない人・登録解除した人

資格確認書(今年12月2日以降)、または現行の保険証(最長2025年12月1日まで)

スマホを使った電子証明書で本人確認も

厚労省は、2025年春にはスマホに搭載された電子証明書での本人確認も開始するとしており、保険証に関わる選択肢はさらに多様になりそうです。

デジタル化により利便性が高まる反面、登録手続きや機器の扱いなど、個人には高度な判断や管理が求められる面もあるように思えます。誰もが安心して医療サービスを利用できるしくみが整備されていくことが望まれます。

著者:加藤 梨里

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