白川静先生の字書3部作
白川静の本 平凡社のHP
字統
漢字の始原の時代にさかのぼり、根源的に漢字の成り立ちを明らかにした字源字典です。
収録字数は親字・旧字・異体字をあわせて7000余です。
字訓
古事記、万葉の時代の古語約1800語が、どの漢字であらわされたかを検討し、和語の意味と語意識を探った画期的な古語辞典。
字通
漢和辞典の最高峰
見出し漢字約10000字。豊富な熟語と用例。漢和辞典を一新した字典。
白川先生のことをもっと知る
日本経済新聞 「私の履歴書」1999/12/23 日本経済新聞 朝刊 立命館大学名誉教授 白川静氏 (22)
字書三部作——10年計画
「令 レイ・リョウ(リャウ) みことのり・いいつけ・よい・せしめる
象形
令冠を着けて、跪(ひざまず)いて神意を聞く神職のものの形。
上部は三角形に似た深い冠の形である。
古く令の意と、またその字形のままで命の字にも用いた。
[説文]
九上に「號(ごう)を發するものなり。しふ・せつに從ふ」と会意に解する。
「しふ」を集、「せつ」を節とし、人を集めて五端の節をわかち、その政令を発する意とするものであるが、
ト文・金文の形は、礼帽を着けて、謹み跪いて神意を聴く人の形に作る。
その神意は、神の命ずるところである。
金文の命の字は、はじめ令の字形のままで、
「大令」「天令」「明令」「休令」「先王の令」「祖考の令」
のようにしるされており、西周後期に至って、これに祝壽を収める器の形さいを加えて、命に作る。
令・命はもと一字であったことが知られる。」
「字統」白川静著 平凡社 より
「先生のお文章が大へん好きである。雄渾な詩情にあふれ、
対立する論敵には仮借なき論評を加えられた。
人間の叡智の高峰から鳴りひびく古代の声のような、
朗々たるお言葉に導かれて、この三十年ほど生きて来たとおもう。
お話を直接伺っていて驚嘆にたえなかったのは、
記憶と活力の無尽蔵なことであった。
その学識を総動員して到達しようとなさっていたのは、
人間生活の根底から未来へと貫徹される徳性というか、
生身が表現しうる美学であった。」
「「無常の使い」生前交流のあった方々の御霊に捧げる悼詞
白川静 先生は生きておられる」より
石牟礼道子著 藤原書店
荒畑寒村・白川静・鶴見和子・橋川文三・上野英信・谷川雁
多田富雄・木村栄文・細川一・砂田晃・土本典昭・本田啓吉
田上義春・川本輝夫・宇井純・原田正純・杉本栄子 ほか