「令 レイ・リョウ(リャウ) みことのり・いいつけ・よい・せしめる
象形
令冠を着けて、跪(ひざまず)いて神意を聞く神職のものの形。
上部は三角形に似た深い冠の形である。
古く令の意と、またその字形のままで命の字にも用いた。
[説文]
九上に「號(ごう)を發するものなり。しふ・せつに從ふ」と会意に解する。
「しふ」を集、「せつ」を節とし、人を集めて五端の節をわかち、その政令を発する意とするものであるが、
ト文・金文の形は、礼帽を着けて、謹み跪いて神意を聴く人の形に作る。
その神意は、神の命ずるところである。
金文の命の字は、はじめ令の字形のままで、
「大令」「天令」「明令」「休令」「先王の令」「祖考の令」
のようにしるされており、西周後期に至って、これに祝壽を収める器の形さいを加えて、命に作る。
令・命はもと一字であったことが知られる。」
「字統」白川静著 平凡社 より