タガログ語ができる弁護士が全然足りない

asahi.com：ＤＶ被害のタイ女性、保護中にビザ切れ逮捕　支援者抗議

　小金井署によると（日本人の）夫の傷害容疑は捜査して書類送検した。妻の入管法違反容疑については「検察と打ち合わせした結果、逮捕することになった。本人が入管に出頭していたなどの事情は、逮捕後わかった」と言う。

　保護施設、シェルター側は「捜査が必要なら、弁護士が付きそい出頭させるのに、なぜ逮捕したのか」「在留資格が更新できなかったのも暴力の結果。これではどんな暴力を受けても外国人女性は警察には行けない」と抗議声明を出し、釈放を求めた。

　警察はきちんとコミュニケーションをとっていたのか、それともマニュアルだけの仕事をしてたのか。
（マニュアルだけの仕事を仕事とは呼ばない）
　いろいろ考えられるが、外国で拘留されることがどういうことか想像してみる。
　中国で、空港で何者かに大量の麻薬を鞄に入れられ逮捕された日本人が居た。判決はほとんど死刑に近いもの。
　自分の状況をうまく伝えたいが、中国語ができない。
　ちゃんと伝わらない。外国語で自分を表現することがどれだけ難しいことか。

　この間、高校生の寸劇をみてたら、お産のシーンで
　「りきんでくださーい。赤ちゃん出てきましたよー。りきんでくださーい！」
と言っていた。お産で力んだらだめじゃん！！
お産では「息んでくださーい。イきんでくださーい」です。
海外での初出産はそういう意味でもなかなか難しい。

　自分の意見が正しく言える状況でないと司法も、行政もうまく動かない。
とくに海外では。

私の大学の指導教官だった人は、夢の多い人なのだが、
そのうちの夢の一つが、タガログ語と司法試験の勉強。
日本ではタガログ語の弁護士が足りないため、今回の事件はタイだが、
『妻はフィリピーナ』という映画をご存じだろうか。
フィリピン人女性との間での事件も数多い。
そのときに、今の日本ではフィリピン人女性が被害者だとしても
まったく権利守られない。強制送還される場合もある。
ほとんど一方的な理由、
つまり流ちょうに日本語をしゃべられる者だけの権利を守るために。

新宿には、英語、中国語、韓国語の対応こそ始まってきたが、
タガログ語は、フィリピーナのドーナツ現象と共に葬り去られたか。
http://www.shinjukubunka.or.jp/tabunka/japanese/soudan/index.html

茨城ではタガログ語相談対応可。
http://www.ia-ibaraki.sakura.ne.jp/lifeguide/japanese/01-01.html

言語の問題は法の下では意外に大きい。
法は言語でつくられているから。

asahi.com：外国人女性どう支える