建築・都市空間の考働美学

建築・都市環境とその周辺をめぐり日頃、考えながら働き実践し湧き上る考働の美学を試みたいと思います。

宿泊建築について思うこと

2005年09月25日 | 空間設計
温泉博士に言わせれば、温泉はかけ流し、源泉近くの湯船(理想は湯船のそこから)というのが成分がよろしいらしい。
ワタシ的に言わせてもらうと、浸かって2日目ぐらいから効き始めて元気になっていく温泉がいい。
旅館ホテルを含め、宿泊施設は癒しの総合パッケージが元気を決める。沸かしでも循環でもいいのだ。あの京都の俵屋旅館の場合なら部屋にある狭い高野槇の沸かし風呂だったりするが、宿泊する中で京都の小宇宙が秘められた癒しがそこはかとなく身体に浸透していく。
宿泊系デザインの場合にはデザイナーの気張りに気を付けたい。この場合必要なのはともかく肩の力を落とさせるなごみの気配り。しかしホテル宴会場はセレブレーション的なので性格が少し違う。空間でホルモン分泌をコントロールする感覚。建築計画論の中でいえばバイオファンクショナリズムか。
設計の実際は経験からも当然といえるが、家具、小物、調度品まで空間コーディネート、コラボレートしないと上手くいかない。もう少し深いところを言うと、いい宿泊宿は国内外問わず、持ち出していけるオリジナルな小物にメモリアルな滞在記憶が宿るようになっている。さらに空間維持管理の演出も生きられた空間では重要なのは言うまでもない。そこでは時を纏う空間のエイジングも読み取れる。そう語っているうちに、ふと俵屋の女将が従業員を使い、2,3階の屋根見下ろし客のために冬椿の花を旅館の瓦屋根にさりげなく散りばめて演出する旬の美意識を思い浮かべてしまった。
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1 コメント

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Unknown (idesign)
2005-09-26 19:38:27
俵屋についてブログを書きまして、検索してこちらにきました。勉強になりました。すばらしい美意識ですね。つばきの話は。
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