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あの日 窓から見る都会の夕景に見入った
何処にでもある風景ではあるが
人々の思いが行き交う風景でもある
都会は人が作り上げた自然でもある
人々と交わる楽しさと難しさと 一人の安らぎと寂しさの どちらを選ぶか
自分には人々の持つ 逞しさもエネルギーもない
タフでしぶとく 精神力が強いなどと 20代から ずっと言われ続けた
ファントム 幻想を見せるのが 人より上手なのだろう 多分 結果論だが
だが 寂しさに媚びるほど 安楽に頼りたくもなく
教会の音楽の中で育った 親父はオルガンが上手だった
子供の頃の 刷り込みとは 第二の本能のようで
抗いがたく ロック リズム&ブルース ジャズを経て とどのつまりは
こんな 音楽に 耽溺 安息する
黴臭さに抗いながら 緻密に計算された音の建築物に入り
危険から守ってくれる その堅固な構築物の中で 安堵する
この年まで 何故 自分は 生存を続けられたのだろう?
幸運なのか 生きながらえる不運なのか 定かならず
妻がいない夜 ふと 考える
自分は妻に 女中も 娼婦も求めていない
日常の全ては自分でできる 自分には女中も娼婦も要らない
子育てが終わり 人と人として向かい合う季節になった
男と女ではなく 人として向き合う
家族を育て上げた戦友として 自分は妻を尊敬している
妻は楽しく旅をしてるだろうか?
人それぞれ歴史がある
長い旅をして来た 何時まで続くのだろう?
いや 思い煩う事はない やがて終わる
その日まで 自分はどう生きて行こうか?
いや 考える必要はないかな
日々は常に寄せ来る 自分の意思は ただの舵取りにしか過ぎない
なるようになる いや なるようになって行く
これが 自分がようやく学んだ小さな知恵だ
明日は 明日に委ねる 我が意は自惚れであると
休日前
鯵の刺身以外 全て残り物
ご飯 カレー ハンバーグ 茄子のマーガリン炒めと 半熟の目玉焼き
朝の残りの味噌汁に 豆腐と若布を入れて
贅沢な一人ご飯だ
この年で 工場労働者 それもパートだ
だが そのおかげで
本を読みながら 酒を飲みながら 夕飯ができる
僅かな稼ぎとはいえ ご飯を食べる事が出来る
サラリーマン 喫茶のマスター 社長 現場監督 工員
文字に書けばこれっぽっちの 自分の人生
終わってみれば これでよしかな これでじゅうぶん
思い出だけは沢山あるなぁ
同じような事を書く
自分の支えなんだろうな