4/28 5時半に起床
支度して6時半自宅を出る
8時新幹線に乗る
駅弁を買い 食す
なにげに うまいと思う
駅弁のうまさは そのもののうまさもあるが
旅立ち 列車が動きだし 散歩が始まる その高揚感と共に食すのがいい
高ぶった気持ちが どんなものでも 一段と素晴らしいものにする
一度 駅弁フェアで買って自宅で食ったが
コンビニ弁当と大差なく感じ なんとなくがっかりした記憶がある
それなりに旨いのだが 期待が先走りして これは自分の修行が足りないせいだ
途中下車した京都は 夏の炎天下のようだった
その前に
おいしい蕎麦屋があると聞いたので
http://www.arashiyama-yoshimura.com/soba/sobanomi/lunch.html
関西で蕎麦を食えるとは思っていなかった
歯ごたえが確かで
子供の頃 親父の蕎麦作りを手伝った事があるが
100%蕎麦粉だと 歯ごたえが出ない
グルテンの含有量が少ないのだから
繋ぎに小麦粉や山芋や卵を入れるのが普通だった
この歯ごたえは 片栗粉でも出せる
しかし うまいと感じたので満足
この日の暑さは 尋常ではなかった
熱当たりを起こしたようだ
旅は 散歩は 疲れを取るためだ
去年から ストレスが ゴミのように溜まっている
肉体疲労は 休めば去る
精神的疲労は 所を変え 見知らぬ場所で戸惑うに限る
ひたすら 路地裏を歩き回る
ふと 気を魅かれ お参りする
その縁起も 由緒も知らぬ寺である
通り過ぎる寺もあれば こうして誘われるように仏を拝みたくなる寺もある
日常無事を祈願する
平等寺http://www5e.biglobe.ne.jp/~hidesan/byoudou-ji-2.htm
タクシーを拾って二条城へ行った
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/
一度は訪ねてみたいと思っていた所だ
観光客が溢れ 西欧人 中国人 韓国人などの団体でいっぱいであった
素晴らしい建築物ではある
年齢のせいだろうか 全ての素晴らしいものに飽きたのだろうか
ここは 心を置く場所が無かった
自分とは無関係の場所であった
過去の人々が ここでの人々の生活が感じられず
きっと 沢山の人々の 喜怒哀楽があったはずなのに
感情や怨念の欠片もなく ただ立派な建造物であった
太陽の熱さに疲れたのだろう 歩く気も失せ
門前のタクシーに乗り京都駅へ戻り 大阪へ向かった
http://ggyao.usen.com/0005019276/?cid=aws_csw_s031_0562
ホタルイカの天麩羅とカワハギの肝和えが旨かった
お造りも新鮮で 少し疲れが取れたような気がした
4/29
何の変哲もない都会の風景をぼんやりと眺める
ホテルの朝食は7時からなので 茶を飲みながら 何処を歩こうかなどと考える
まるで夢遊病者のように あてもなく 何処へ行くでもなく 歩く
股関節がしぶしぶ言っている 足の裏も痛い時がある でも歩く
日々の暮らしは 必ず行動の目的がある 常に目的に拘束されている
何もする事がない 何かをしなければいけない事から解放され
気が向かなければ 何もしなくていいということは 自分にとってこの上ない贅沢だ
自由気ままに 時を過ごせるのは 幸せである たとえ足が疲れてもだ
昔の自分の子供の頃の年寄りは60過ぎれば腰が曲がり
子の世話になり 子達に気を使いながら早々と死んでいった
労働は確かにしんどく感じるようになったが 仕事があるだけでありがたいと思う
金が全てではないが こうやって気ままに旅する金もないのは心が不自由に感じてしまう
貧乏はいけない事とは思わないが 自分の様な人間にとって貧しさは時として心まで貧しくしてしまう
自分は清貧に甘んじられるほど心が豊かでないし
明日食う食い物が無く 寒暖を防ぐ住まいが無ければ 絶望で死ぬだろう
自分は弱い人間である
金が沢山あれば身を持ち崩すだろうし なければ死にたくなる
働いていくばくかの金を稼ぎ ほどほどの身の丈に合った暮らしをする
そうやって生きてきたし そのような暮らししかできない
子供頃から 無一文になるのは最大の恐怖であった
だから勤め人になったり 会社を作ったり 会社が駄目になればすぐ仕事を探して働いた
自分にとって仕事は自己実現などというような高尚な事ではなく
ただ 日々を暮らす金を得るためであった
だからと言って 仕事は苦痛ではない やりがいのある仕事も沢山あった
でも それらの満足感は 金を得る事に付随する項目に過ぎない
自分にとって一番大事な事は 日々を生き延びる事だけだからだ
そのためには少しの金は絶対必要である
金は食いものと同じで
無ければ飢え死にするし 取り過ぎれば太り病気になってしまう
飽くなき飽食は身を滅ぼすし 絶食すればやがてやせ衰え死ぬ
日々を過ごせるだけの金があれば 丁度いい
新装なった通天閣に登りたかったが 2時間待ちというので諦め
日がまだ高かったが 串カツと土手焼きを肴にビールを飲む
天王寺界隈は 初めて大阪に来て泊まった所というせいではないのだろうが
好みの街である
阿倍野の一般サラリーマンのマンション街があり 飛田新地の昔の赤線地帯みたいな風俗街があり
一泊1500円のどや街があり 仕事にあぶれた労働者がうつろな目で道端にたむろする
好奇心いっぱいの観光客に溢れ 四天王寺の様な古刹があり やくざがうろつき
街中で おじさんがにらみ合って喧嘩寸前であり
生活保護の金で 無料の医療費で睡眠薬をしこたま医者にもらい 売って 昼から酒を飲み
ホームレスが大きなビニール袋を背負い 空き缶を足で潰し売ってその日の糧としている
自分は社会評論などには興味が無く
その置かれた環境は異なっても
皆生きる事に貪欲で なまけものがいて 働きものがいて 男に春を売るものがいて
人を脅して それを生業とするものがいて 薬で廃人になるものがいて
この猥雑な混沌が
何故かこの場所を歩く事によって
正負のエネルギーに 疲れ果て 奇妙な元気をもらい
その毒気は苦い薬のようで へとへとにされるのだが 翌日何故か心の澱が無くなっている
だからとことん疲れた時は この街にどっぷり浸りたくなる
案の定 この日の夕方 気分が悪くなり
ホテルへ戻り はやばやとベッドに入った
4/30
朝から人々は ゴールデンウィークではあるが 仕事へ出かける
自分はゆっくりと朝から散歩する
人は人 自分は自分である
昨日の新世界が効いたのか目覚めはすっきりで 疲れがとれたようだ
この日は気温もほどほどで ゆっくり時を過ごせた
心地よい疲労感であった
出かけて来て良かった
きっとまたこの交差点に佇むだろう
もう一度振り返り 記憶にプリントする
車窓から富士山が見えた
東国へ帰って来たと感じる
5/3
今日は大雨注意報が出ている
今日からまた4連休だ
ガス台の掃除は終わったし 午後から換気扇の掃除をしよう
フィルターのストックが無くなった 買いに行かなくては
しかし雨足が強いな