彼女がヒッピーを知るわけもない
もう40年以上前の事だ
でも この歌を聞いて
わかってる人かなと思う
あの頃 若者は魂の行き場を失っていた
大人たちからは冷ややかな
あるいは 触れたくない存在だった
1966頃かな
ヴェトナム戦争で 新宿は米兵で溢れていた
女と酒だけが
与えられた休暇のご褒美
新宿の風月堂
GI達のたまり場でもあった
ドラッグが貨幣だった
自分は新宿のフーテン
髪を肩まで垂らし ラッパのよれよれのジーンズ
かっこつけて 女をナンパし
歌舞伎町が自分のねぐらだった
夜勤明けのバイトの後
家にも帰らず 授業サボって
一人 ダンモの茶店の固い椅子で ようやく眠る
世の中なぞどうでもよかったな
ぶっ壊れようが おかしくなろうが
俺には関係の無い事だった
女は気晴らしの道具にしか過ぎなかったし
稼いだ金で食いたいものを食い
好きな酒をたらふく飲み
その日 その1日を過ごせれば
退屈な時間をうっちゃれる
日々は退屈しのぎだった
でも 心は満たされず
木枯らしが吹きすさぶばかりだった
何故あの頃 あんなに飢えていたんだろう?
もう あの頃を理解できなくなった
あの頃の若者
自分も含めて皆じじいばばあだ
夢は叶ったか?
夢は実現できなかった
その代わり 違う価値を得た
今の自分にとってとても大事なものだ
早死したかった自分が
おめおめと生きている
だが 恥ずかしくはない
まだ死にたくないと思うようになった
俺も変わったな
この世は面白いものだ
楽しむことにしよう