なぜ、イ・ジュンギはファンのことを極限まで思い続けることができるのか。そのことを考えていくと、彼が長くファンに愛されている理由がわかってくる。「演技を長くするためには、ファンと離れてはいけないんです」という彼の言葉も頼もしい。
自分のありのままを見せる
スターにとってファンは、なくてはならない存在だ。
いや、ファンなしではスターというものは最初から存在できない。
星がいくら輝いても、それを見てくれる人がいないと何の意味もない。それだけに、スターがファンを大切にするのは当たり前だともいえるが、スターはときどきファンという存在を面倒くさがったり、知らない間に無視したりする。多くのスターがファンの愛情で育てられるが、後にはファンを軽んじる間違いをおかしやすいのだ。
特に、一朝一夕に人気を得たシンデレラ型のスターなら、どうしてもファンのありがたみがわかりづらい。
しかし、イ・ジュンギは、誠実にファンと接する。彼はファンと自分は一つの家族だという。つまり、ファンは俳優イ・ジュンギの成長を見守ってくれる家族のような存在なのだ。
だからなのか、イ・ジュンギのファンには中高年も多い。ファンは本当に、イ・ジュンギが自分たちの子供や甥であるように世話をする。イ・ジュンギをインタビューする雑誌社には、彼のファンクラブから餅が送られるというのはその一例とも言えるだろう。
ファンがこのようにイ・ジュンギを身近に感じるのは、彼が自分のありのままをファンに見せているからだ。もしイ・ジュンギが自分を隠したり飾ったりするスターだったら、ファンはこれほど彼を親しく思わないだろう。
長く演技できる俳優でありたい
実際のイ・ジュンギはどういう人間なのだろうか。
マスコミの間で彼は「人が好きで、酒好きで、明るい性格で、自分の考えを正確にアピールできる人」と評されているが、イ・ジュンギも「実際にそうです」と認めている。
「インタビューのときは、本当に秘密にしなければならないプライベートな部分の20%だけを除き、すべてをオープンします。インタビューでの姿が本当の僕だと思ってくれればいいですね」
ここまで本人が言い切ってしまうと、イメージ管理をしなくても大丈夫なのかと周囲が心配するほどだ。
それでも、イ・ジュンギはきっぱりと言う。
「かつてイメージ管理というものもやってみましたが、やればやるほどファンと離れていくような気がして嫌になりました。スターとしていられるためには、もう少し自分を神秘的に飾ったり、何かを隠したりしたほうがいいかもしれませんが、僕が夢見てきたのは長く演技できる俳優であって、決してスターではなかった」
このようにキッパリと言うイ・ジュンギ。その姿勢はずっと変わらないと彼は断言している。
「演技を長くするためには、ファンと離れてはいけないんです。身近で頼もしいイメージを作るのは大変難しいのに、自ら離れていく道を歩む必要はないと思います」
イ・ジュンギのこの言葉の中に、ファンが愛する理由がある。