ジェジュン ツアーで見せた爆笑トーク
「僕の顔、芸人には……」
デビューして15年目になりますが、ソロとしては今日からがスタートです。この先1周年、2周年、10周年、ともっともっと長く続けられるように頑張っていきたいと思います!」
韓国出身の歌手で俳優のジェジュン(32)が6月27日、全国ツアー『The Reunion in Memory』の横浜アリーナ公演を行った。同日発売の自身初のシングル『Sign/Your Love』など全12曲を熱唱。前日と2日間にわたって約2万人のファンが駆けつけた。
ペンライトで真っ赤に埋め尽くされた会場。興奮と歓喜の渦のなか登場したジェジュンは、ロックバラードをセクシーに歌い上げ、ツアーの幕を開けた。
「最近、日本のバラエティー番組への出演が増えて、小学生に『あの外国人の芸人はおもしろいね』と言われて(笑)」
冒頭のMCコーナーは、10分にもおよぶ爆笑トークを展開。
僕、芸人じゃないですよ。一応、しゃべるのが好きな歌手です。芸人だとしたらこの顔、ちょっともったいない(笑)」
茶目っ気たっぷりのトークで盛り上げるジェジュン。ファンの歓声もひときわ大きくなるなか、男性ファンの「ジェジュン!」の掛け声でさらにトークが冴えわたる。
「いいよ! わかってるね、あなた。ちゃんと言ってくださったほうがうれしいです。今日、動画もたくさん撮っているので、そういうひと言が全国放送されるようにガンガン、思い切って言ってください!」
そして、観客の心を一つにするジェジュン。
「昨日も、お客さんの熱い応援と熱いノリにすごく感動したんですけど、今日も、昨日のパワーを乗り越えてさらに盛り上がる自信はありますか? マジ、やるかい!」
たいていのアーティストは、観客を煽ったら次の曲に突入するだろう。だが、観客の反応を見て「もっとしゃべってほしいんだよね」とトークを続けるのがジェジュン流だ。
「僕のライブイベントって、基本、台本がないんですよ。その場で感じていることをお話するだけで。なにもなかったらボーッとして、みなさんがいい反応をしてくださると僕もガンガンしゃべれるんですよ」
ひとしきりファンとの掛け合いをしたジェジュンは、日本語でカバーした渾身のバラード『化粧』などを情感たっぷりに熱唱すると再びMCコーナーへ。この日、発売したデビューシングルが、iTunesのミュージックビデオ売り上げランキングで1位と2位を獲得したことを報告した。
「新人、ジェジュンとして本当、感激ですね。ソロで1位を取るのはたいへんなことだと思ってあまり数字は期待していなかったんですけど、みなさんのおかげでいい日になりました。この勢いに乗ってこれからもずっと謙虚に、新人の気持ちで頑張りたいと思います」
さらに、新曲『Sign』と『Your Love』に込めた思いとは——。
「15年前にデビューしたときの、みなさんが慣れていた僕の声、というものを意識しました。これまでその声が維持できるように頑張ってきたつもりなんですが、きっと、昔を思い出せるような曲になっているんじゃないかと思います」
ライブ中盤は、おなじみの楽屋での生着替えを披露。自称「王子様っぽい衣装」で再びステージに上がると、ファンの〝歌ってほしい曲〟リクエストに応え、過去曲をメドレーで熱唱した。観客の合唱を聴き、目頭を抑えるジェジュンがスクリーンに映し出される場面も。
「僕という存在から力をもらって生きていけるとおっしゃってくださる方もたくさんいます。でも、僕は、みなさんがいてくださるから、どんなに大きな波がきても乗り越えられる力がわきます」
2時間半を超えたライブは、ファン思いの優しい〝やさ男〟ジェジュンのサービス精神があふれ、その姿を温かく見守る観客の愛に包まれたものだった。
最後の挨拶で約8年ぶりに日本で活動を再開させた心境を吐露したジェジュン。
「僕、好きな人が前にいると笑っちゃうんです。新人のときはなんで知らなかったのかな、この気持ちが。あのころは、どうすればカッコよく見えるかばかり考えて、キメてる角度でスカして、素直じゃなかったんです。いま、15年ぶりに新人の気持ちでやっていると、『これが本当の幸せだ』というのが見つかって、毎日笑顔で過ごすことができるようになりました」
アンコールを終え、ステージを後にするジェジュンは、「今日は誠にありがとうございました。いつも僕を守ってくれてありがとう!」と正面、左右と数回にわたって客席に深々と頭を下げた。
開演前の会見では「ライブの3〜4時間をすべて日本語曲でできるようにしたい」と目標を掲げたジェジュン。横浜アリーナで開幕した同ツアーは、名古屋、福岡、仙台、神戸、と5都市を回り合計4万8000人を動員する。