「ジェジュン学」をテーマにお届けするスペシャルレポート! 今回は2つ目のキーワード“観察力”についてのお話です。なぜ、ジェジュンというアーティストは、年齢を重ねるたびに輝きを増すのか。なぜ、彼のファンは皆幸福そうに見えるのか。その理由を紐解いていきます。
ファンを観察し、感応する相思相愛の光景そのもの
次なるキーワードは、“観察力”である。彼のコンサートに行ったことのある人なら知っていると思うが、ジェジュンは、ファンをとてもよく観ている。視覚というのは案外自分勝手なもので、興味があるものしか目に入らないようにできている。無意識のうちに、見たくないものは目に入れない。
五感の中でも、触ってみないと何も感じられない触覚や、食べ物を口に入れないことには全く機能しない味覚と違い、周囲から様々な情報をキャッチしてしまう視覚と聴覚は、経験の中で、好きなものと嫌いなものを選り好みする。何千人もの前で、歌を披露するだけでも大変なエネルギーを消費しているはずの彼が、でも、ファン一人ひとりの反応に深い興味を示す。溢れ出る感情を、丁寧に観察する。それは、相思相愛の光景そのものだ。
ジェジュンに、バラエティに進出することの意味について訊いた時も、こんな答えが返ってきた。
「バラエティでは、すごく学ぶことが多いんです。芸人さんたちって、朝から晩までスケジュールが詰まっていて、その間ずーっと喋らなきゃいけないし、ずーっと周りを楽しませるために頭を働かせなきゃいけない。誰かが面白いことを言ったら笑って、空気が固まったら解きほぐす。
誰だって気分のアップダウンがあるはずなのに、芸人さんは、毎日同じテンションをキープしていることに感心しますし、そのプロ意識の高さを、すごく尊敬します。たまにはぼーっとしたい時もあるだろうし、笑いたくない時もあると思うんです。でもそこを乗り越えて、ちゃんとプロとして自分のキャラクターに合ったテンションをキープしているところがすごいし、僕もそれを、盗めるものなら盗みたいですね(笑)」
観察力は、時に「感応力」にも繫がることがある。ジェジュンとの対話は、不思議と音楽的だ。会話はキャッチボールに例えられることがあるけれど、ジェジュンのような優れた音楽家にインタビューすると、「キャッチボールというより楽器のジャムセッションみたいだ」と感じたりする。こちらが投げた言葉によって、ジェジュンという楽器が、いい音を鳴らしてくれる。そんな瞬間が多いからだ。
翻って、ライヴのMCのときのジェジュンを思い出してみると、ファンに対して語りかけている時の彼は、ファンという楽器を、上手に鳴らしているようにも見える。ジェジュンの言葉に狂喜したり、高揚したり、翻弄されたり。たまにはヘソを曲げてみたり。まるで、心地いい操られ方をしているような。彼の掌の上で転がされているような。でも、時にファンからの言葉で一気に形勢が逆転し、彼が面白い音を鳴らしてくれることもある。