第93回全国高校野球選手権長崎大会の組み合わせ抽選会が24日、長崎市の県営野球場であり、出場58校の対戦相手が決まった。開会式は7月9日午前10時15分から同球場である。続いて同日午後0時15分から、開幕試合として佐世保北―五島が対戦する。日程が順調に進めば決勝は24日に同球場である。
シード校は第1シードから順に、波佐見、佐世保工、清峰、鎮西学院、海星、創成館、長崎南山、大村工の8校。昨秋と今春の県大会、5、6月にあったNHK杯の結果などをもとに決まった。
抽選会には、各校の監督や部長らが集まり、長崎・中・佐世保の各地区ごとに1校ずつ、くじを引いた。公式戦で上位に入りながらシードを逃した壱岐、瓊浦、西陵などの対戦相手が決まると、会場からはどよめきが起こっていた。
宇久は部員不足により、この夏いっぱいで活動を停止し、今年度末の廃部が決まった。田中秀和監督は抽選会前日の練習で選手たちに明かした。「島民やOBの思いをすべて背負って戦ってほしい」と話すと、選手たちは涙を流していたという。(河合達郎)
【Aゾーン】波佐見、一歩リードか
第1シードの波佐見が一歩リードか。150キロ近い速球を投げるエース松田を中心に春夏連続の甲子園を目指す。春の県大会とNHK杯の県大会で8強入りした西陵は、投打に安定感がある。初戦突破なら波佐見が待ち受け、上位進出をかけた一戦になる。第8シード大村工は、左腕のエース豊田を打線が援護できるか。春の県大会で4強入りの小浜は4番松崎を中心に打線に爆発力がある。
【Bゾーン】鎮西学院・海星が軸に
第4シードの鎮西学院、第5シードの海星を軸に展開しそう。鎮西学院は6月のNHK杯で初優勝し、勢いに乗る。エース高田の出来がカギ。海星は右腕牧瀬の安定感が増してきた。打線も永江、古賀ら強打者がそろい、9年ぶりの甲子園を目指す。佐世保高専は2年生エース古川が、181センチの長身から力強い直球を投げ込む。長崎南、鹿町工、長崎総大付、諫早も上位進出を狙う。
【Cゾーン】実力校がそろい激戦
実力校がそろい、激戦のブロックとなった。第3シードの清峰は中軸の江川将を中心に強力打線が持ち味。左腕荒木はNHK杯で連投を経験し、力をつけてきた。第6シードの創成館は機動力を生かして得点を狙う。壱岐はNHK杯で4強入りし、波に乗る。佐世保実も好投手を擁し、侮れない。昨夏の大会を制した長崎日大は田中、大田、中村の3投手で頂点を狙う。長崎西も投打に力がある。
【Dゾーン】「最後」宇久は長崎商
第2シードの佐世保工と第7シードの長崎南山に、瓊浦、長崎商が挑む。今春の県大会を制した佐世保工はエース豊村を中心に投手層が厚い。長崎南山も江口、田川の両投手が好調。上位打線も勢いがある。瓊浦は4番の主将大藤がチャンスの一打に強い。長崎商は二塁手平野、遊撃手池本を中心に内野陣が堅い。初戦はこの夏限りで活動を停止する宇久と対戦する。
(朝日新聞6月25日掲載記事)